留学のすすめ.jp

Invitation to Study Abroad

Disseminating the Impact of Study Abroad
Inter-generational Knowledge Transfer

特別インタビュー

大好きな仕事に出会えたのは、世界一周をしたからだった。

 濱田 真里

早稲田大学3年次に休学し、各地のワークキャンプを周りながら世界一周を経験。
2011年に海外で働く女性の現状を伝えるメディア『なでしこVoice』を立ち上げ、発信者としての活動を開始する。

目的意識が海外経験を深める

「当初5か国(ベトナム・インド・ベルギー・ドイツ・トーゴ)でボランティア活動を通じて現地の人たちと交流する『ワークキャンプ』に参加してみたかったんです。それらの国を周るために一番安くて効率的な方法を探していた時に見つけたのが、世界一周チケット。だから実は世界一周をしたくてこのチケットを購入したわけではないんです。ワークキャンプで5カ国、その移動と合わせて17カ国を周り、気付いたら世界一周をしていました。」濱田さんは、将来海外に関わりながら働くためにも、時間のある学生時代に自分の目で海外の現状を知ろうと思い、ワークキャンプに参加したと言う。「世界一周をする際の目的は、現地の活動を通じて自分が将来どんな働き方をしたいか考えることでした。目的をしっかり自分の中で落とし込むことは重要です。それが活動の原動力になります」その言葉から、ただ海外に出て漠然と時間を過ごすのではなく、強い目的意識を持ち、結果までも見据えて行動している濱田さんの様子がうかがえた。「海外へ行ったことで、私の人生はガラリと変わりました。しっかり計画を立て、目的意識をもって旅をすることで、出会える人の数も幅も広がり、自分のできる体験もグッと深くなったと思います。とりあえず海外に出てみる、ということももちろん大切ですが、その前に少しでも考える時間があるのであれば、何らかのテーマを持って海外で活動することをおすすめしたいですね」

世界一周は可能性を拡げるための手段に過ぎない

現在濱田さんは、発信をする仕事に携わっているわけだが、世界一周をしたことが、現在の仕事を見つけるきっかけになったという。「やりたいことは、色々とやってみることで見つかるのだと思います。直接的にやりたいことに繋がらなくても、巡り巡ってその経験は人生の中で活かされるはず。『なでしこvoice』を立ち上げるために必要な人脈や旅のスキルは、世界一周した時に身に付いたものなので、結果として、世界一周をしたから大好きだと言える仕事を見つけられました。世界一周をすること自体が目的ではなく、自分の人生の選択肢を拡げるための手段として考えたから、こういう結果を出せたのだと思います。」留学することを目的としてしまう学生が多くように感じる今日、こういった考え方は常に持ち続けていなければならないものだと私は考える。留学は、自分の将来の可能性を広げるための“手段”なのである。

両親も納得せざるを得ないほど、プレゼンを作り込んだ

世界一周をしてみたいな、と考える学生もいると思うが、自分の知らない世界に飛び込むことに不安を感じたり、お金の面を考えると、どうしても行動に移せないという人もいるだろう。それに加えて、他の人からの反対、特に親からの反対というものは少なからず発生する。濱田さんが世界一周をする際、当然両親からの反対もあったようだ。しかし、濱田さんはプレゼン資料を作ることで両親を説得したという。「説得方法として私はプレゼン資料を作りました。自分がどのような目的で海外に行くのか、そこへ行くまでのルートや参加するワークキャンプの詳細、受入れ団体のプロフィールなどを全部まとめましたね。ただ海外に行きたい!という気持ちだけを伝えるだけでは、親は私が何をしたいのか分からないと思ったんです。だから、それを事前に伝えるためのツールとして、私はプレゼン資料を作りました。」資料の内容はそれだけでは終わらなかった。「世界一周チケットの値段や現地で連絡を取り合うための携帯情報も、世界携帯を契約して書きましたね。他にも、情報発信はここでするので、私の生存確認はここでしてください、ということまで、全てのことをプレゼン資料にまとめました。資料を親に見せた時、ようやく私の本気が伝わったようで。やっぱり、誰かを説得するときに、ふわっと説得しても相手が同意してくれる可能性は低いと思うんです。なので、そこはしっかり自分がこれだけ考えて、しっかり計画を立てているんですという姿勢を示すことが大事だと思います。ある意味、同意を得るために交渉するというよりは、全てを決めた後の事後報告という感じでしたね。この内容で行きます!っていう感じで。全て決めてから説明したら、相手も同意せざるを得ないじゃないですか。」と彼女は笑いながら話してくれた。それらの膨大な情報をまとめるためにかかった時間は、わずか1か月ほどらしい。「大事にしているのは、やりたいと思ったら、すぐに行動を起こすこと。それで違うと思ったらやめればいいじゃないですか。やるんだったら早く取り組んで必要なものを把握し、足りないものは早めにリストアップしたほうがいいですよね。」では一体、世界一周するための資金はどのように工面していたのだろう。「自分でアルバイトしたお金と、親からの援助でしたね。プレゼンをした理由の一つとして、資金が足りなかったのもあります。だからスポンサーになってもらうためにプレゼンをしました。」

怖さよりも好奇心が勝った

最近、一人旅に行く女子が増えている。しかし世界一周となると、ただの海外旅行とは別なものになってしまうように思える。しかし、濱田さんは、世界一周と海外旅行はほとんど同じことだと語る。「違いはないですよ。イメージとしては、一人旅の10回連続という感じです。長期間帰らない旅になるというだけで、私にとって世界一周と旅の違いはそこまで無いです。どちらにしろ安全対策だけはしっかりしたほうがいいと思います。例えば、スカートははかないとか、化粧はしないとか。私は本当に慎重に行動するようにしているので、今までに旅行中に事件や事故に巻き込まれたことは一回も無いですね。」他にも、携帯は屋外で使わないようにしたり、夜の外出は絶対にしなかったりと、とにかく危機管理意識を常に持ち合わせながら行動しているそうだ。

濱田さんが訪れたアフリカのトーゴ共和国は、私たち日本人にとってなじみのない国。普通だったら、未知なものに対するある種の恐怖を感じるものだが、濱田さんは違った。「怖さより好奇心。どういう国なのか知りたいという気持ちのほうが強かったですね。事前の情報収集ももちろん大事ですが。あとは、現地に信頼できる人を事前に確保しておくこともとても重要です。だから、私はアフリカでツテがなかったのでワークキャンプに参加しました。ワークキャンプでちゃんとしたNGO、NPOと契約しているスタッフさんと事前に連絡を取って仲良くなることで、現地の信頼できる人を確保していましたね。インターネットよりも現地の人が知っているリアルな情報のほうが信頼度も高いし、現地の人しか知らないインターネットに載っていない情報もたくさんありますから。」一歩日本から出たら、自分の身は自分で守る、という姿勢が重要であると感じた。

英語力をつけるには、大学生の間がベスト

留学を考えるにあたってまず重要視するのは、自分の英語力だろう。留学なんて無理だ、と考えている人たちの理由のひとつにも英語力は関係している。しかし、濱田さんは海外に行く前はほとんど英語が話せなかったという。「旅をしながら英語力を上げていきました。しかも、世界一周が初めての一人旅だったんです。コミュニケーションだけであれば、中学英語でもある程度は通じますよ。」各国を周っている間に、濱田さんは英語力の伸びを感じたと言う。「やはりスピーキング能力はつきましたね。あとは、間違ってもいいかなっていう度胸がつきました。英語に対する抵抗感がなくなったことが一番大きな収穫。日本人の考える英語と現地で本当に使う英語力って、違うと思います。あと、スピーキングって私たち日本人は学校で習わないじゃないですか。英語をみんなで話す場ってなかなかない。だから、日本のそういった学校教育を受けている限り、スピーキング力は0歳のようなものだと思うんですよ。そういう意味では、現地に行っていきなり英語を話すっていう環境は私にとってとても勉強になりました。だから、留学や旅をすることは、英語に対するアレルギーを払拭するきっかけとしておすすめです。」英語が出来ないから留学は無理だ、と考えるのは違うと濱田さんは考えている。「海外に行く際に、英語がネックになったことはないです。その逆で、今後英語が使えなかったら選択肢がどんどん狭まる可能性もあるのに、怖いからといって先延ばしにしていたら、大変なことになる!と思っていました。英語って取り組むのが早ければ早いほどリスニングや発音のスキルアップもしやすいので、むしろ時間がない、逆に今行かないとやばい!と思って海外に飛び込みましたね。社会人になってから勉強するのは時間を作るのが難しい。だから、英語環境での経験を学生の間に積みたいと思ったんです。」海外に出たことで、特にスピーキングとリスニングの力が飛躍的に向上しただけではなく、もっと英語を勉強したいと思うきっかけにもなったそうだ。英語が出来ないから留学をしないのではなく、やはり、留学をして何をしたいかという視点から考えることが大事なのだと思う。

各国に1人は親友を作る

最後に、留学を計画している人やこれから留学を控えている人へのアドバイスとして濱田さんはこう締めくくった。「現地に行ったらとにかく色んな人と繋がって欲しいですね。そして、ぜひ親友を作ってほしいと思います。留学を一緒にした友達は、同じような壁を乗り越えている仲間。だから、今後も助け合えたり、情報交換ができたりできるはず。でも、そのためにはどんどん外に出て人に会う必要があるので、自分から行動してほしいです。今、私は各国に親友がいて、とても楽しいです。今度台湾に行く予定なのですが、その時は台湾の親友の家に泊めてもらいます。一か国にひとりは親友を作る!くらいの気持ちで、ぜひ積極的に行動を起こしてみて下さい。」

インタビュー実施日:2015/12/04

【編集後記】

待ち合わせの場所で、私たちは緊張しながら濱田さんの到着を待っていた。彼女に会って、インタビュー開始から彼女と別れるまで常に私たちの気持ちは高ぶっていた。英語が流暢にしゃべれない状況で英語圏の国へ飛び込むことは、丸裸で敵地に飛び込むことくらい怖いことだろう。しかし、彼女はそんな怖さよりも、今後自分の将来において英語を使えないことの方が怖いと言ったのだ。私はその言葉を聞いたとき、間違いなく英語が話せない将来に恐怖を感じた。留学で得られるものは語学力だけではない。人的ネットワークも留学することの大きなメリットである。将来の可能性を拡げるために改めて私は留学しよう、と思った。留学を“目的”ではなく“手段”として。もし留学できる環境にいるのであれば、ぜひあなたにも留学に関して真剣に考えてほしい。濱田さんと話す中で、自分の留学意志がより強くなったとともに、留学する目的について今一度深く考えてみようと思う。

文責:
瀬沼慶太

インタビュー:
白石彩(明治大学2年)
萩原遥(明治大学1年)
瀬沼慶太(明治大学1年)