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特別インタビュー

『世界一周して千人カット』美容師の桑原淳さんへインタビュー

美容室 Up to You / サロカリ代表 / 超超エリート株式会社 代表取締役 桑原淳氏

【Profile】

桑原 淳さん/山梨県出身/2014年から世界一周の旅をスタート/
高円寺にある美容室『Up to You』で美容師として活動/オンラインサロン『サロカリ』で代表を務める/株式会社『超超エリート株式会社』を設立/その他、講演会やセミナー、イベント企画や居酒屋及びマツエクサロンの経営/著書『世界を知るために旅に出たら日本を知る旅だった 世界一周1000人ヘアカット 』を出版

 

桑原さんはどんな中高生、学生時代を送られましたか。

桑原さん:工業高校に通っていました。そのときから美容師になりたくて。特に工業がやりたかったわけではないんですけど。(美容師の)専門大学にいくためには、高校に行かなきゃと思って。そのためだけに通っていたので、特に何もして無かったです(笑)。部活はやっていましたけどね、バイトもしてバンドも少し…
大倉:バンドやられていたんですね。バンドでは何を担当されていたんですか。
桑原さん:ギターです。
大倉:今でも弾かれていますか。
桑原さん:おんぼろですけどそこにもあります(お店の壁際を指す)。

海外に興味をもたれたのはいつですか。

桑原さん:22歳の頃です。
大倉:何がきっかけでしたか。
桑原さん:旅をしていた人に会って写真を見せてもらって、単純ですけど、「ああ、いいなって思いました。

今回の旅に出る前に海外経験はありましたか。

桑原さん:6カ国くらいは行ったことがありました。一人旅でとか。
大倉:それは学生時代にですか。
桑原さん:学生時代の修学旅行でとか。美容師の学校ってそういうのがあるんですよ。イギリス行ったりだとか。それと、普通に社会人になってから、一人でいったりしましたね。

今回の長期的な旅に備えて、どんな準備をされましたか。

桑原さん:準備は、実はあんまりしてなくって。お金はちょっと貯めたのと…旅行の準備ってことですよね?
大倉:語学の準備とかは、どうでしたか。
桑原さん:語学は、ちょっと喋れたんですよね。ある程度、英語を。22歳の時に旅に行こうと思ってから(美容師として働いて)お金を貯めて、勉強も3年くらいしてたって感じですね。(旅に)持っていったものも、あるものを持っていく感じだったので、特に準備は無かったですね。

今回の(美容師として)海外で出会った人の髪を切る旅に出ることに対して、旅に出る前の周りの反応はどうでしたか。

桑原さん:どうだったかな…。あんまりそんな人に言って行ったわけではなくて。ただ海外に行く、くらいにしか。
大倉:ご家族やご友人には?
桑原さん:言っていたけど、別に何も言われなかった(笑)
大倉・伊藤:(笑)
桑原さん:否定も肯定もされなかったと思います。

東南アジアから旅をスタートさせたとブログで拝見したのですが、その理由などはありますか。

桑原さん:西か東かって言ったらどっちかしかないから、だったら東かなっていう理由ですかね(笑)

この旅は行き当たりばったりで始められたと思うのですが、不安を感じたことなどはありましたか。

桑原さん:ないって言ったら嘘になるけど、うーん…初めてではなかったので、例えば東南アジアとかは。不安に思ったところは南米とか。なんとなく怖いらしいって聞いていたけど、基本的にはそんなに不安にはなっていなかったかも。

旅先で苦労したこと、あとは印象に強く残ったことなど何かあれば教えて下さい。

桑原さん:印象に残ったことはまぁ、沢山あって、ベタですけど景色とか。あとはやっぱり髪を切っていたらその国の人と話すから、それを通して例えば文化とか宗教とかそうゆう部分の考え方とかはどこの国も印象的ではあったかな。
伊藤:やっぱりそれぞれで違いますかね?
桑原さん:全然違うし、そうゆう部分って行っただけだと気づけないと思うんですよ。喋ってみないと。あと一個良かったなっていうのが「髪の毛を切りますよ」っていうのは、ただの会話とは違って、少なくとも例えば刺されないとか。こっちが刃物を持っているからね。そうゆう風に思ってくれている上で切っているので、まぁそういった意味では本音に近いところを話してくれたのかなと。
伊藤:南米とかだと、英語よりもスペイン語やポルトガル語が多く話されていると思うんですけど、そういった言語も話せたり…?
桑原さん:そこは少しだけ覚えたりとか(笑)。でもやっぱりちゃんとした会話とかまでは出来なかったから、喋れる人に通訳してもらったかな。だから人っていう部分が印象的で、あとは強盗みたいなトラブルは幸いなくって。でも怖かったのが「犬」かな。国にもよるけど沢山いるんですよ野良犬が。本当に病気を持っている犬がガチで襲ってくるとどうしようもできないから…怖かったですかね。あとは苦労ねぇ…
大倉:旅中に、どこに泊まられていたんですか?
桑原さん:ん~、安いような所にとか、泊っていっていいよって言ってくれたらそこにとか。
大倉:じゃあ、髪を切った方のお家に呼ばれてとかも…?
桑原さん:うん。そうゆうのもあったかなぁ。

目標の千人を超えた後も旅を続けた理由はありますか。

桑原さん:やっぱり行ってない国があったから。内陸で言うと北米に行こうと思っていて、でもその手前で目標を達成しちゃったから。あとは金銭的にも、なんかまだいけるなっていう。0ではなかったからって感じですね。

旅をして、自分が変わったことなどはありましたか?

桑原さん:取り巻く環境としては、ブログとか、あとはこういった話を貰えるようになったのもそうかな。そういった意味では今の仕事にも活きているし、自分の働き方とかもっと言えば人生的なプランにもすごく影響があった。あとは人を見る目が変わったかな。良くも悪くも(笑)。良い意味で言えば「この国の人はこう」みたいな考えはなくなったかな。文化とかは違っても、最終的に行き着くところは同じだなって。もう一つは…反対で言えば、例えば行く前は否定をされなかったことはなくて。けど、帰ってきたら否定をしていた人も手のひら返しというか(笑)。別に何も言わないけど、そうゆう人もいるんだって気づいたかな。

ブログに対しての反響などはどうでしたか?

桑原さん:写真とかだとその瞬間を切り取っているだけでなかなかその状況は伝わらないから、良いって言う人はいるんですけど、まぁ色々そこに対して突っかかる人もやっぱいて…反応は様々だったなと思いますね。
伊藤:そうだったんですね…。例えば、ウユニ塩湖やエッフェル塔などの有名な場所で髪を切られている写真が多いじゃないですか。そういうのはここで撮りましょう!みたいな感じでやっていたんですか?(笑)
桑原さん:ん~、そこに行って「切ってくれ」って言われるパターンが多かったから、ウユニ塩湖もエッフェル塔もそうゆう感じですね。自主的にそうゆうのをやろうと思ったのも終盤の方で、最初の方はむしろ考えていなかったですかね。
伊藤:一番初めってどうやって切らせてもらったんですか?
桑原さん:途中からは看板を作っていたけど、それまでは一人一人聞いてやっていたかな。

最後に、海外に出ようとしている学生に対して何かアドバイスなどあればお願いします。

桑原さん:例えば、留学とかだと基本的には学校に所属するタイプが多いから、絶対的にサポートがつくわけで、そんなに心配をする必要はないのかなって思っていて。逆にバックパッカーをやりたいと思っていたら、海外だからってビビる必要はないのかなと。例えば僕は山梨出身で東京に上京してきたんですけど、地方出身の子が地方から東京に出てくるだけでも不安は大きいと思うんですよ。電車とか自動改札とか!僕は東京に来て初めて見たんですけど(笑)。でもそれはやり方の問題で、慣れれば出来るようになるしそれって最初は失敗するじゃないですか。要は、一人で海外に行くのも東京に行くのも正直あまり変わらないかなって。知らない場所に行くって意味では同じだし、やっぱり実際に行って経験してみるっていうのが大事だから。そうゆうことが出来るのがバックパッカーかなって思うな。特に日本の人って、海外に行くことが特別みたいに思う節があるから、余計違うように思うだけで、田舎者が都会に来るのと変わらないから、行って失敗してくればいいんじゃないかなと。それをやらないとその後の人生とかでもやっぱり何も出来ない人になっちゃうかもしれないし。元々、何も出来ないような人でも、それを繰り返せば挑戦するような人生が送れるんじゃないかと。そっちの方が僕は楽しいと思う。学生の内に、とは思わなくて、行こうと思っているならいつでも行ってみればいいんじゃないかと思いますね。

今の学生、特に大学生に何か足りてないなと感じるものはありますか。

桑原さん:漠然とした印象だと、やっぱりデジタルネイティブな世代だと、何でも答えがすぐに手に入ると思うんですよね。なんかそういう風なのっていいこともあるけど。年配の人との違いは、結果を重視するか過程を重視するか。年配の人は、結果までのこつこつやっていた期間が大事といったりするけど、どっちかって言うと今の十代の人は過程すっ飛ばして結果をとりに行くというか。なんかそこの価値観はすごく違うと思う。なんていうのかな。過程が大事って言うのは実は効率が悪いことであって、そういうのは僕も嫌いなんですけど、でも何か必要な苦労はあるんじゃないかと思っていて。コツコツやったから手に入るものも世の中にはあるから。そういうのは見極めて…。例えば投げ銭文化とか。そういうのって昔なかったじゃないですか。ポルカとかクラウドファンディングとか。ツイッターとかで、旅に出るんでお金くださいとかいうのって、割と今お金を投げてもらいやすい時代だと思う。けど、なんでもそれだとどうなのかなと思うこともあって。その方が効率はいいと思うんですよ、三年間バイトだってしなくてすむし。
伊藤:貰ったほうが…
桑原さん:そう、貰ったほうが楽だし。僕もその三年間、働く必要は無かったなって今では思うんですけど。でもそのときに、五年間美容師をやって、ある程度土台ができたから技術的だったり語学的な部分で、五年のキャリアっていう言えるものができたから。その上で髪を切っていたって言うのはなんか説得力の部分では違うかなって。まあ、何でも答えだけを集めても面白くないかなって。空っぽな人になっちゃうような。でも、おじさんとかが言うように、過程ばかりを意識していたら歳を取っちゃうから、そこの見極めは大事かなって思う。
伊藤:その見極めというのは…
桑原さん:ん~好きなものだったらもう、お金とかを気にせず一年間とかほんとに費やして追求すればいいと思うし。(話は戻り)なんかやっぱりそういう面で空っぽな人が今の学生には多いような気がします。変に情報だけ入っちゃうから、情報のうわべだけをバシッと集めている感じ。最もらしいことはいくらでも言えるけど中身は無いっていうのはあるかな。
 
後の会話の中で…
桑原さん:あ、学生に対して思うことありました!もったいないって思う。就活しなければっていうのとかすごく。なんか例えば、海外に行きたいって日本人で言う人ってどこにいきたいですかって聞いてぱっと集めると大体十五カ国くらいしかないんですよ。その、世界200カ国ある内のたった十五カ国しか日本人が行きたい外国って挙がってこないので。でも、世界にはその他に180カ国もあるので、そういった所が英語をしゃべっているかっていったらそんなことはないし。じゃあ日本で就職しようかっていったら(世界の)200分の1でしかないし、なんかすごくもったいないっていうか。可能性を自分で狭めること無いのにって思う。例えば海外に行くにしても、その十五カ国って中だけで選ばなくていいし、全然知らない所に行ってみたらいいと思う。そこで、行き当たりばったりで語学を学んで、仕事をしてみるでもいいかもしれないし。就職が悪いってことは全然無いけど、やりたくない仕事をするんだったら、ビザとっていきなりネパールで農業してみるとかそういうのでもいいんじゃないかなって思いますけどね。

旅に出るまで五年間、お金を貯めたり勉強し続けられたモチベーションはどうやって保っていましたか。

桑原さん:それは(旅に)行きたかったってことしかなかったからです。あと自分自身、技術的なことで言えば不安とか、なんか一人前とはいえないなと思っていたから。でも今思えば、そうしなくてもよかったと思うんですよ。半年間別にどっかの学校にお金払って入って、技術を教えてもらってから行ってもよかったし。やり方はいくらでもあったけど、当時はすごく視野が狭かったかなと思う。自分は。だから三年間実質やってしまったといったらあれだけど、そういう選択をしたけど。それもそういう経験をしたから気づけている部分もあるかなと思っている。無駄だとは思っていない。

番外編

大倉:今回の旅に出た一番のきっかけはやっぱり、海外に興味があったからですか?
桑原さん:それと、旅が好きだったからですね。
伊藤:海外で行き当たりばったりの暮らしに不安を感じます。そういった不安はどうしたら無くなりますか?
桑原さん:逆に、どうして一年後に安心してこっち(日本)で生きていけると思うのかを聞きたいですね。そういう風に言う人いっぱいいるけど、どうして社会で失業せずに働けていける保障があると思うのかと聞きたい。だから、行き当たりばったり以外あるのかなって。美容師なんて特に、手が吹っ飛んだら終わりだし。明日怪我したら、もうその日から無職ですし。そこに、保証もくそも無いと思うんですけど(笑)。でもやっぱり多くの人は、大学に通って就職して結婚してって言う人生を妄想はするんですけどね。その通りには行かないでしょって思う。だから、行き当たりばったりでいいんじゃないかなって思う。まあ親は心配するけどね。反対されたりだとか、喧嘩もします。
大倉:今もですか?
桑原さん:はい。周りは平気で言ってきますからね、そんなのできないだろうって。親も。そういう時は周りのいうことは大抵シカトしますが。だって、例えば、旅に出ることも親に止められたとして、行かなかったとしても親が別に連れて行ってくれるわけじゃないから。止めた人が代わりに何かしてくれるわけじゃないから、結局自分で行くしかない。止めた人は責任を取らないから、その人責めることはできないし。例えば止められたとしても行ってしまって、海外で何か結果をもって帰ってきたらよかったねってきっと周りは言うわけですし。やっぱり周りを気にしなくていいと思います。まあ、こうはいっても8割くらいの人はやらないですよ。2人(大倉・伊藤)はどうか分からないけど、周りの海外行きたいって言っている人たちの8割くらいが行かないと思うんですよ。親がどうとかお金の問題だったり。でもそういう人たちに合わせなくていいと思います。そういう選択の人たちは結構世の中にいます。でも結局行ったもん勝ちだと思いますから。
大倉:最後に、旅を通して一番楽しいと思った瞬間を教えて下さい。
桑原さん:やっぱ人と出会ったりとか、その土地にいる人の生活を知れたり、新しい発見があったときが楽しいですね。今は、旅をしたいから仕事をしているという感じ。大学生時代に楽しめという人が多いけど、人生100年って考えた時に学生時代4年間って短いし、逆にそこで頑張って勉強して、社会人になってから好きなように海外に行ったり旅をしたりすればいいと思う。
 

<インタビュアー>

大倉芽衣
伊藤玲央奈

【編集後記】

私は今回、初めてこのようなインタビューをさせて頂きました。緊張と不安を感じながらも、インタビューを終えてこの様に文字として伝えられる事は私にとって良い経験となりました。桑原さんのお話は私の周囲にいる大人にはない考えを感じるものが多く、周りに囚われすぎずに自分のやりたいと思う事を出来る限りでやってみようと思いました。そして私も一生の間に世界一周旅行がしたいと強く思ったので、貯金をしたり言語の学習など今から様々なものを自分の内に蓄えていきたいです。(伊藤)
ゼミの授業内で桑原さんのブログを拝見した時に、海外を周り、出会った1000人の髪を切ったという事にとても面白いなと驚いた事が、今回インタビューをお願いしたきっかけでした。実際にお会いしてお話を聞くと、ブログ内に記載されてる事だけでなく、桑原さん自身の信念だったり考え方だったりを伺えてとても貴重な体験をさせて頂きました。桑原さんが、最近の若者に対してもったいないと思うとお話しされた事が印象的でした。確かに、私たち学生の中では大学に通い、2年・あるいは4年目に就活をする事が当たり前になっています。しかし、それは決まりではないし、主流と違っても良いのだと、改めて考え直されました。自分の意志が強く、やりたい事がしっかり見えているんだとしたら、失敗する事・周りと違うという事は全く気にしなくていいんだと思いました。私はこの秋から交換留学に行きます。帰って来るときは就活真っ只中ですが、自分のやりたい事を見つけ、焦る事なく充実した留学生活を過ごしたいと思います。ありがとうございました。(大倉)

伊藤玲央奈
大倉芽衣
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