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インタビュー

日本の暖かいメッセージを台湾へ――すべては留学をきっかけに

古堅 一希氏

2014年11月22日  638ページビュー
2年以上   台湾   語学学校  

東洋大学を2年間休学し、カナダと台湾に留学し、台湾留学時に立ち上げた謝謝台湾プロジェクトの代表を務めた古堅一希さんに、プロジェクトを立ち上げるきっかけのお話をお伺いしました。

(学生)―― なぜ、謝謝台湾というイベントを立ち上げたのですか?

 東日本大震災が発生した2011年3月11日以降に台湾に留学して中国語を学んでいましたが、留学中に台湾が震災後、世界で一番多くの義援金を日本に送ってくれていたということを知りました。他にも多くの支援をしてくださった台湾に対して、日本政府は正式な国とは認められていない台湾にお礼状を送ることで中国との関係がこじれるのではと懸念し、台湾にはお礼状を送らなかったのです。その2つの事実を知った後に、個人的に何か行動を起こしている人はいないかと調べてみましたが、間接的なことはあっても、直接台湾の人に感謝を伝える活動をしている人が見つからなかったので、いないなら自分でやろう!と思ったのがきっかけです。

(学生)――イベントを開催するのに苦労したのはどんなことですか?

 直接台湾の人に感謝を伝えるイベントを開きたかったので、台湾のいくつかの都市をまわり、日本人が留学している大学に足を運んで、協力者を募ったのですが、結局協力してくれたのは1人だけでした。前例のないこれから新たに立ち上げるイベントだったので、企画内容には賛同してもらえたが、実際に協力しようという人はほとんど見つかりませんでした。台湾で働いている日本人の方々にも協力してもらい、開催しました。

(学生)――イベントではどんなことをするのですか?

 1年目は実際に自分で被災地に行き、被災者のかたに台湾人に対する謝謝の気持ちを手紙に書いてもらい、その感謝をイベントで台湾の人たちに伝えました。

 台湾と日本どちらかの一方通行ではなく、キャッチボールをするようなイベントにしたかったので、台湾からはメッセージと折鶴を被災地に送りました。後は、着付けや日本舞踊など日本の伝統文化も紹介しました。このイベントは今年、目的を謝謝台湾から日本と台湾の友好にシフトして4年目を迎える予定です。代表も毎年変わっていますが、必ず学生が代表となり、学生主体でイベントを盛り上げています。これからもこのイベントに関わっていきたいし、まだまだ続いてくれればいいなと思っています。

インタビュー実施日:2014/10/28

インタビューアーからのコメント

「百聞は一見にしかず。体験しないと分からないことなんてたくさんある」という古堅さんの言葉で、留学ではなくても、一度住み慣れた環境から離れて海外へ行くこと自体が、無限の可能性につながることだと思いました。
古堅さんの話を聞いて、まず感動したのは、台湾に対する熱い心です。私も今年、実際に謝謝台湾のイベントに参加しましたが、日本人も台湾人もみんな協力して、東北への暖かいメッセージカードや折鶴などを作る光景を見て、ものすごく感動しました。困難に遭っても、一緒にやる人が少なくても、言葉さえほとんど通じなかった台湾でこんなすごいイベントを立ち上げてくれた古堅さんにすごく感謝していますし、尊敬しています。
そして気づいたことは、今までと違った文化と考えに出会えることによって、自分の国にいてはきっと気がつくこともない物事を見直すことができる。そして、無理しても今まで挑戦していないことに挑んでみて、自分の新たな能力を発見できます。
「不安になったとき、悩むよりまず行動すれば、必ずいいことがある。少なくとも、不安を打ち消すことができる。」時には自分のやってることには意味があるか迷うこともあるけど、古堅さんのこの言葉を思い出すと心強いです。今回のインタビューは、自分の留学生活と今後の人生においてもすごく有意義な出来事だったと思います。

インタビューアー:HSIEH I-Ju

インタビューアーからのコメント

私は、芦沢先生の授業でも様々な人の留学中の経験を聞きましたが、一貫して言えるのは、皆さん本当に行動力が素晴らしいということです。もし私がこの時期に台湾に留学していて同じ事実を知ったとしても、私はきっと何も行動には起こさなかったと思います。
私はこの夏休みに行った海外インターンシップの最中、自分の中では積極的に行動したなと思ったのですが、このようなお話を聞くとまだまだ足りないと感じました。その後、次に海外に行ったらこういうことをしてみようと改めて考えるきっかけにもなったインタビューでした。お話をする方は、何かに参加するのではなく、自分で立ち上げている方が多いので私も留学先で自らの意志でイベントを開催してみたいなと思いました。
 また、最後におっしゃっていた、「日本人は日本について知らなさ過ぎる。それはとっても恥ずかしいこと。海外で仕事をするならまずは自分の国を知らなくては」という言葉が印象的でした。私も留学中に日本について聞かれて答えられなかったことが何度もありました。すごく恥ずかしかったので、日本についてもっともっと勉強し、誇りをもって他の国の人に日本を紹介できるようになりたいなと思いました。

インタビューアー:丸山 柚衣
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