インタビュー
喧嘩ができれば成長する
平岡直子氏 齋藤友紀氏
2021年8月1日 783ページビュー 1年以上 2年以上 アメリカ合衆国 イギリス 大学【留学体験の概要】
平岡様
留学した時期・期間:2年半(大学卒業後)
留学先(国、学校名):イギリス セントクレアカレッジ
齋藤様
留学した時期・期間:1年間(大学生)
留学先(国、学校名):アメリカ セントエリザベス大学
【インタビュー相手にとっての留学意義】
「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」
平岡様:国際的な仕事につきたいという思いがあり、留学をすることで英語を習得できるのではないかと考えたからです。世界を視野に活躍したいなと思っていました。
齋藤様:大学の英語の授業でアメリカの方と交流する中でアメリカのライフスタイルに触れ、興味を持ったからです。会話をするのは苦手だったのですが、文法を学ぶのは好きでした。そこで苦手を克服するために英会話教室に通ったのですがその英会話教室はとても楽しかったです。
「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
平岡様:工夫したことは日本について知ることです。そのため、毎日新聞を読みました。社会的な問題についても新聞から学びました。現地の子に日本のことを聞かれた時に答えることが出来ないのは恥ずかしいと思ったからです。
齋藤様:TOEFLの勉強をとにかくしました。TOEFLの参考書は少なかったため、模擬試験を行うことができる参考書を何回も繰り返し解きました。1回目から3回目は順調にスコアが伸びたけれど、4回目からはなかなかスコアが伸びず、苦戦しました。
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?」
平岡様:長期間、家族と離れるのが少し心配でした。以前アメリカでもホームステイをしたことがあったのですが、アメリカと次に行くイギリスとの違いに不安を持っていました。ホームステイ先の家のことや食事のことも不安でしたね。イギリスの主食はポテトでした。お洒落なテーブルクロスにろうそくスタンドのあるテーブル、セッティングはとても豪華だったのですが、食事は意外と質素でした。夕食がサラダとパンとデザートだけのこともありました。以前ステイしたアメリカはとても豪華な食事だったのでこの違いには少々驚きました。
でもイギリスではローストビーフやクリスマスのターキーはとても美味しかったです。
齋藤様:私は、現地で友達ができるのか不安でした。留学に行っての友達作りは大変でした。イベント(ハロウィンやサンクスギビングなど)があると現地の子は家族と過ごすため、寮に住んでいる留学生はそのパーティーに呼ばれることがステータスみたいでした。(ステータスというよりは、お声がかからず独りぼっちになりたくないという一心だった気がします)私も誰か誘ってくれないかとソワソワしていたのを覚えています。
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
平岡様:苦労したことは、慣れないうちは我慢をすることが多かったことです。言いたいことは言うということの大切さがよくわかりました。ルームメイトだった台湾人や韓国人とは思想の違いなどから口論をしたこともありますが、それぞれの文化違いや習慣の違いを学ぶことができました。
齋藤様:私は寮に住んでいたのですが、ルームメイトの人と合わなくて苦労しました。毎晩遅くに彼氏と電話をしたり、部屋に彼氏を連れ込んだりとプライベートの空間が取れずストレスが溜まり喧嘩が絶えませんでした。喧嘩の時だけはなぜかスラスラと自分の口から英語が出てきました。レジデントスタッフに部屋を変えて欲しいと頼んでも今は空きが無いから無理と断られました。しかし、その後に違うアメリカ人の子が部屋を変えて欲しいとレジデントスタッフに言ったところ、変えることが出来たと知りました。その時待てと言われたら待つという日本人の謙虚さに気づくと同時に部屋を変えたいという気持ちを言い続けること、主張することの大切さを学びました。その後も、ルームメイトの子とは生活習慣が合わず、共同生活によるストレスが大きかったため、夜電話をするときは声を小さくするなど細かく条件をまとめた契約書に署名を交わしました。アメリカが契約社会であると身をもって体験しました。お互いが仲良くするために交わした契約書でしたが、その子との関係は修復せず、留学最後まで殆ど会話をしませんでした。留学最終日に手紙をもらい、ごめんねと言われたのを覚えています。あとは大学のレポートに苦戦しました。日本だと期限内に提出し、ある程度の文字数を書けばCくらいの評価は貰えるのですが、アメリカは違いました。何度も書き直してこいと言われるのですが、何が悪いのかは教えてくれずわかりませんでした。間違っていたのは書き方でした。文字数がそこまで多くなくても、内容がまとまっていたり、スペースの開け方などを理解したりする必要がありました。論文の形式をきちんと学んでおけばよかったです。
「留学で得たもの(メリットなど)は何だと思いますか?」
平岡様:ケンブリッジ試験などの資格の習得ができたことです。この試験はイギリスだけではなく、オーストラリア、カナダなど多くの国の大学をはじめ、様々な教育機関や企業に認められている国際レベルの英語認定試験です。日本での知名度はまだ低いですが、世界各国で実施している試験なので就職の可能性を広げたい人、大学での留学を考えている人には是非受けて欲しい試験です。あとは世界各国の友達を作ることが出来たことです。留学中は私もヨーロッパの友人の家に遊びに行きましたが、20年以上経ってからもスペイン人やドイツ人の友人が日本に来てくれました。
齋藤様:性格が変わり、メンタルが強くなりました。日本にいたときは自分がやりたくないことは自分からはやらないという姿勢だったのですが、留学していたときは嫌なこともとりあえず一度トライしてみようと思える精神になりました。やらないことの方がもったいないと思えるようになりました。
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」
平岡様:英語の講師をし、その後留学カウンセラーという今の仕事に就いています。自分が留学体験者だからこそ、留学をしている学生、しようとしている学生にアドバイスができます。学生をよく励ましていますよ。
齋藤様:留学で培われた、打たれ強い心は様々な場面で役に立ちました。面接に強くなりました。また、様々な困難を乗り越えてきたからなのかメンタルが強くなりました。
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」
平岡様・斎藤様:留学前後で英語の試験を受けるべきです。TOEIC、TOEFL、IELTS何でもいいのですが、前後で受けることで自分が留学先でどれほど英語力が伸びたのかよく分かりますよ。
「留学前にすればよかったこと何ですか?」
平岡様・斎藤様:英語と日本についての勉強です。もっと英語力をつけてから行けばよかったです。日本については、留学前にしてはいましたが全然足りませんでした。
「おすすめの留学先はどこですか?」
平岡様:目的によって異なりますが、やはり私はイギリス、特にオックスフォードが好きですね。伝統ある大学の校舎、お洒落なパブ、本屋さんもたくさんあるので、飽きないですよ。ヨーロッパの国々に気軽に行くことができるのも最大のメリットです。実際私は休暇中に何度も旅行をしましたよ。
斎藤様:アメリカです。アメリカは本当に多様な文化に溢れ、スポーツやエンタメ、自然、政治、ビジネスなど、魅力にあふれた国です。自分の興味のあることに合わせて行先(州や都市)を選ぶことができるので、選択肢が豊富なのがポイントだと思います。
インタビュー実施日:2020/11/26
インタビューアーからのコメント
「印象に残った言葉」
ルームメイトと喧嘩をした際、スラスラと英語が出てきてここまで自分は喋ることができるのだと気付いたというお話が印象に残っています。喧嘩をすることで、自分の意見を言うこともできています。喧嘩をすることができれば自分は成長したと言えるのではないかと勝手に思いました。私は自分の意見を伝えることが苦手です。相手の顔色を見ながら行動してしまうことが多々あります。大学の英語のオンライン授業でチャットに意見を送ることでさえ躊躇してしまいます。しかしこのままでは留学先で何も学ぶことが出来ません。チャットに意見を書き込むなど小さなことにでもチャレンジをしていきたいと思います。留学を行う前に少しでも変わりたいです。そして留学することが出来たら、喧嘩をすることができるくらいの心を得たいと思います。
「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと、今後行いたいこと」
貴重なお話を聞くことが出来て嬉しかったです。お二人とも、留学をしていた頃のお話をとても楽しそうにしていたので私も留学に行きたいという思いが強くなりました。留学先での不安はあります。しかし今回お話を聞き、その不安は誰にでもあり、それを乗り越えた先に楽しさがあり、成長することができることを学びました。大学生のうちに留学を体験し、成長する必要があると感じました。私は留学先で十分に話すことができる語学力を持ち合わせていないので、留学をしたいと言う思いがあるならばこれから今まで以上に勉強に力を入れていかなければならないことを実感しました。
インタビューアー:木村美幸(国際観光学部 国際観光学科 1学年)