インタビュー
留学をしていたときが人生で一番勉強した。
仁志田華子氏
2020年10月20日 533ページビュー 3年以上 アメリカ合衆国 大学「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」
日本の大学にいるとき、英語を使った仕事に就きたいと考えていたが就きたい具体的な職業が決まっておらず、専門的なものを得たいと考えて大学院への進学を考え、大学時に十分な英語力を身につけられなかったことと司書課程の充実度からアメリカへの留学を決意した。
「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
大学卒業時にすぐアメリカの大学院へ進学したが、図書館学を学べるコースが毎年開講されず、他大学院への編入をすることになってしまった。より詳しく大学院について調べる必要があった。
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
言葉にとても苦労した。会話を聞き取る力はあったが、自分の考えをうまく伝えるのが大変だった。大学は田舎にある日本人が3人しかいなかった場所で、
生活用品を買うために必要だった日常的な会話をするのに始めは苦労した。在学中は十分な英語力が足りなかったため最低限の科目を履修し、授業を録音して家で何度も再生し、辞書を用いながら授業内容を理解していた。
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?」
中学生の時にすでにアメリカでのホームステイをしていた経験があったため、生活面での不安はほとんどなかった。しかし、英語力に自信がなかったため授業についていけるか、レポートをこなすことができるかなどの勉強面での不安は大きかった。実際に留学をすると、リーディングの課題の量が多く、辞書を引きながら理解していくのがとてもつらかった。
「留学で得たものは何ですか?」
自国の良いところと自国についての知識が少なかったことを理解したことである。アメリカで様々な人と話をする中で日本に興味がある人との出会いがあった。その人々との話を通して日本の良さや、日本のことについて聞かれたにも関わらず返答ができなかったことがあったので自国のことを知っておく大切さがわかった。また、大学院では世界のさまざまな国からの留学生が集まっていて世界中の友人をつくることができた。そしてアメリカ以外の国へ行くときにその友人の家に泊めさせてもらったり、泊まる場所を尋ねたりという卒業後も連絡をとれる関係ができたことが良かった。
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」
図書館情報学の大学院を卒業後、アメリカの公共図書館に児童司書として就職をし、約9年間お話し会(読み聞かせ)や、読書週間のプロモーションや日本文化を伝えるプログラムなどの企画、実施を行っていた。その後次のステップアップをはかるために日本へ帰国し小学校の英語教育の一環として英語の本の読み聞かせを行う仕事をした。大学生の時に望んでいた英語と専門を活かした仕事に就くことができた。
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」
まず、自分を知ってアピールできるものを持つこと。アメリカでは自分が持っているものを他者に見せる機会が多く、何もアピールできるものがないと他者とうまく交流することができないことが多い。そして、自分の文化を理解してそれを伝えられるようにしておくことが大切である。留学中に他者から日本について聞かれることが多くある。内容は様々であるができるだけ日本について知っておくとより交流を深めることができる。
インタビュー実施日:2018/07/09
インタビューアーからのコメント
「印象に残った言葉」
「留学をしていたときが人生で一番勉強した。」という言葉である。大学院で扱う内容は日常で使う英語よりも難しく、授業内容を理解するだけでも非常に苦労したということが伝わってきた。
「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと」
私は在学中に1年間の留学をしたいと考えているが、留学は決して容易なものではなく、多くの努力が必要になることを改めて理解した。また、留学までに語学力を高めておく必要があるのはもちろんだが、現地にいる人たちとの交流を深めるためには日本についてよく知っておく必要があることが分かったので、留学に向け知識を増やしていきたい。
インタビューアー:黄野克哉(文学部 国際文化コミュニケーション学科 1学年)