インタビュー
留学すればいいってもんじゃない。
近郷智絵氏
2020年10月19日 538ページビュー 4年以上 アメリカ合衆国 大学 高校
「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」
小学校のALTの先生に出会ってから英語が好きになり、英語を使った職に就きたいと思った。英語を喋れるようになるということはその文化を知ることだと思い、大きな国でいろんな人が交わるというイメージのアメリカに留学したいと思った。
「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
高校留学に関してはAFSのしっかりとしたプログラムがあったので大きな苦労はなかったが、Community collegeに入学するときは両親や高校(短大込みの5年制の高校であった)の説得や資金源、現地での書類の手続きに大変苦労した。
また編入先を見つけるときはスカラーシップ条件や部活の面で奨学金をもらえるところで探さなければいけないことに苦労した。
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
やはり言葉の壁が大きく、学校での人間関係がうまくいかなかったり、授業や課題がわからないことがあった。また留学生が少ないことから悩みを共有できなかった。
他にも住んでいる町で“Go back to your country”と言われるなどの日本人差別もあったりするなど、「外国人」としての立場が保証されていないと感じることがあった。
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?」
言語と人間関係が不安だったが、実際運にも恵まれ相性の良いホストファミリーと出会え、人脈も広がった。また部活では一番頑張ったアスリートに選ばれた。(High school)
「留学で得たものは何ですか?」
人とのつながりが広がり、言葉の深さを感じ言葉が楽しくなった。また、ものの見方が広くなったことで物事に動じなくなり、良い意味で自分のこだわりが強くなった。
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」
「英語の教師になりたいけど喋れない先生にはなりたくない」という思いがあったので教員免許より英語を優先していたため免許を持っていなかった。そのためまずは一般企業で働きながら教員免許を取って先生になった。
小学校で英語の先生をしたときは留学経験から文化も教えることができたし、生徒の質問があってもその解説だけでなく質問を深めてあげることができている。
また、留学に関して色んな反対を受けている生徒の壁を取っ払ってあげるなど、自分の経験が生かせる場所が先生としてあってよかった。
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」
一言でいえば「留学はすればいいってもんじゃない。」
何を得たいか目標を定めなければただの旅行だし、留学したからと言って英語が使い物になるかはわからない。留学でたくさん得たものもあったけどその分たくさんの犠牲もあった。(おじいちゃんのお葬式に出られなかった)。
生きていなければ意味がないから安易な気持ちなら行くべきじゃないし、「こんなはずじゃなかった」は聞き飽きたから理想の自分(きっとこうなれるというキラキラしたもの)を持って留学しない。それでも覚悟をもって留学に行くなら得ることがたくさんある。
インタビュー実施日:2019/06/23
インタビューアーからのコメント
「印象に残った言葉」
「留学すればいいってもんじゃない」
「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと」
近郷先生はわたしが高校1、2年生の時の担任の先生で、先生のおかげで高2の時にカナダに留学することができました。今まで先生の留学についてたくさんお話を聞いてきて、「先生さすがだな、羨ましいな」という風に感じていました。
しかし今回の機会に苦労したことなどネガティブな面を聞いて、今先生がきらきらして見えるのはたくさん苦労してたくさん悩んで自分自身で留学を成功させたからなのだと知ることができました。先生は時には厳しいことも言います。だから留学を目指す学生へのアドバイスに「留学をすればいいってもんじゃない」と言われたときは先生らしいなと思いました。
でも先生はそれ以上に生徒思いで情に厚い方です。先生は私にとって永遠に憧れの存在であると改めて感じました。
インタビューアー:島田優佳(国際学部 国際地域学科 1学年)