インタビュー
留学とは、華やかなものばかりではなく、コツコツと地道にやっていくことの方が多い
佐藤里野氏
2018年12月13日 2,441ページビュー 1年以上 アメリカ合衆国 大学 大学院(修士)「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」
アメリカに興味があったから。文学よりも演劇が好きだった。大学、大学院でアメリカのことを学んでいるので行かなくてはと思い、アメリカへ留学した。そして仕事につなげるためでもある。一般企業に就くビジョンがわかなかったので、研究職に就くため留学経験が必要だったという現状といった自分のキャリアの為。
「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
TOEFL IBT 100以上が必要であり、その勉強が留学準備で苦労した。学内の無料で受けられるTOEFLを受けた。また自分の生きたいアメリカの大学を見学する為に自分でアメリカに行った。
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
コミュニケーションを取るのが留学中で非常に苦労した。授業後に先生に呼び出され、「授業中に発言しないと評価をつけることが出来ない。どんなことでもいいから発言しなさい。」と言われた。 そして生活の大変さが勉強に支障をきたした。宅配便の再配達などサービス面が日本と比べ良くないのでそこが生活面で大変だった。
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?」
アメリカで生活するための部屋探しが不安だった。すべて自費で留学するため全て自分で用意し揃える必要があった。不安だったので大学に居るアドバイザーに相談した。
「留学で得たものは何ですか?」
舞台演劇の本場に行き専門的な知識とそこでの作家・演出家や演劇研究者たちにインタビューする経験が出来た。そして研究者とのネットワークを得た。 そしてマルチカルチャーの人々、メンターやモデルにも出会い、交流することで国際理解が深まった。自分たちがどのように見られているのかを考え、自分がいかに日本の中で形成され自分の世界は狭いままだったことを認識した。自分が当たり前だと思っていたことが驚かれたり理解されなかったりし、当たり前ではないことを知ったとともに差異を受け入れることの重要さを得た。
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」
留学という経験はアメリカ演劇を研究する上ではたいへん重要である。。そのため留学をしたおかげで仕事の幅が増えた。「留学に行った人にやってもらいたい」という仕事を得ることが出来た。
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」
奨学金が獲得できる場合はあった方がいい。そして、なんとなく留学に行くのではなくきちんと一つでも目的を持つ。現地に行って、安心するからと言って日本人とばかりつるむと英語でのコミュニケーション力が上がらないので、様々な文化的背景を持つ人達とコミュニケーションを取る。
たとえどんなに優秀な人でも意見を言わないでいると伝わらないまま。発言することが必要とされる場所にいることで乗り越えられるようになるので努力が大事。そして留学とは、華やかなものばかりではなく、コツコツと地道にやっていくことの方が多い。ただし、アウトプットするためには、インプットの部分で努力することもとても大切である。また自分の足を使って色んな場所に行くことは自分の為になる経験になる。
インタビュー実施日:2018/06/27
インタビューアーからのコメント
「印象に残った言葉」
留学とは、華やかなものばかりではなく、コツコツと地道にやっていくことの方が多い。
「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと」
今回お話を聞き、目的を持った留学は、自分の中にあった考え方や世界の視野が広くなる経験になると感じた。また自分の意見を自分の中に閉じ込めたまま発言しないことは自分を持っていない人と見なされ、当然ながら一向に相手に考えを共有することが出来ない。だが、その当たり前がなかなか出来ないままでは苦労ばかりすることを知った。そこを改善することは、自分をプラスに変化出来る経験になるのだと感じた。
自らの力で様々な場所へ行き、今まで知り得なかった知識・思考に触れることは、自分の為だけではなく多文化交流に役立つと学んだ。
留学のためにやることは、華美なものばかりではなく地道に物事に取り組むことでもある
と話を聞き、自分の留学イメージでは英語で色んな人と話し、日本での暮らしとは異なった生活を経験するといった表面上のものばかりを考えていたので、授業についていくため分からない英語を一つずつ調べて理解する、無知による苦労を一つずつ乗り越えるといった一見小さくて地味だと感じる努力がいかに大切であると痛感した。
インタビューアー:永谷美優 (文学部英米文学科2学年)