留学のすすめ.jp

Invitation to Study Abroad

Disseminating the Impact of Study Abroad
Inter-generational Knowledge Transfer

インタビュー

“留学がゴール”ではありません。 あくまで留学はひとつの経験であり、これからのキャリアの通過点です。

三枝 香帆氏

2018年12月13日  315ページビュー
6カ月以上   オーストラリア   語学学校  

「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」
幼い頃から外国・外国人に憧れを抱いていたのがきっかけで海外に目を向けるようになった。大学生になり、長期間海外に身を置き現地の人と共に生活することによって、自分の世界観を広げたいと思うようになった。また日本人以外の考え方や価値観を吸収することで、自分の知っている日本や常識、考え方を客観的にとらえ、新たな発見や日本の改善できる部分を導きだしたいとも考えていた。オーストラリアを選択した理由は、昔から自然が好きで、自然に囲まれてリラックスしながら勉強をしたいとう願望を抱いていたため。
 
「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
準備で苦労したことは、TOEFLの点を取ること。元々、勉強という座学が苦手だったため、一年の秋学期から2年の春学期までSCATのTOEFL特別コース(現:LEAP)を、週4日受講していた通常の授業も1・2年生時はフルで受け、サークルにも参加していた。留学の資金を貯めるためにアルバイトもしていたため、TOEFLの勉強に費やす時間がなかなか取れず、寝る間も惜しんで勉強する日々が続いた。ハードなスケジュールをこなす中で一番苦労したことは、勉強の時間を確保することだった。
その為に工夫したことは、限られた時間でいかに勉強を進め、効率よくできるかということ。例えば、通学の時間である電車の中では、立ちながらでも単語帳をひたすら読む、単語帳を開くのが厳しい状況のときは、洋楽や英語のラジオ・教材のCDを聞くなどした。SCATの課題や授業の課題は空きコマの時間に図書館へ行って済ませていた。
 
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
留学中に苦労したことは、予想の10倍くらい、現地人と意思疏通ができなかったこと。オーストラリア英語はなまりが強く難しいと言われているが、シーキュー大学のロックハンプトンキャンパスはいわゆる“田舎”にある学校であったため、本当に何を言っているのか分からなかった。分からないだけでなく、自分の英語も通じないため、初日から自分の英語力への自信を無くした。
このような状況を打破するため、言葉が通じないまたは分からなくても、頑張ってみんなの輪に入っていった。なるべくたくさん話すようにする、食堂で現地の友達と食事するなど、現地の人とともに行動するようにした。自分で工夫したこともたくさんあるが、最初から良くしてくれる現地の友達がいたため、最後まで諦めずに頑張ることができた。

 
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?」
留学前に不安だったことは、英語の不安より空港の乗り換えや、オーストラリアに着いてからの行動のほうが不安だった。大学の国際センターから渡される事前の情報は多くないため、自分でなんとかしないといけないという状況にあった。
また、留学に行き、今まで支えてくれた周りの方々の期待に応えられるような“成長した自分”で帰国できるかも不安だった。
 
実際は、留学初日から、飛行機の遅れにより乗り換えに余裕なかった上、目的地空港に無事到着したと思いきや、受託手荷物の一つが乗り換え空港に置いてかれてしまい、一気に不安が100倍になった。しかし、語学学校のスタッフの方や現地の友人が、生活面でも精神面でもとてもサポートをしてくれ、とても楽しい日々を過ごすことができた。
留学での成果面についての不安は、留学中はずっと消えなかった。毎日毎日、楽しいながらも「果たしてこれで合っているのか、私のやっていることは間違っていないか。」と悶々としていた。しかし何が合っているのか、何が正しいのかは、いくら考えても分からないため、目の前にある全てのことに対し、全力で取り組むようにしていた。
 
「留学で得たものは何ですか?」
一つ目は、周りの方々の大切さに気付けたこと。留学中は何をするにしても人の助けがないとできないことだらけだった。その為、自分がいかに周りの人に助けられているかを、留学を通して実感することができた。
二つ目は“実行力”。元々チャレンジすることや一つ一つに全力投球してきたが、自身の持っている実行力にさらに磨きをかけることができたと思う。
 
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」
元々、英語を使う仕事がしたいという思いから外資系の会社に勤めることを考えていた。留学前は「日本は堅苦しい国である」と思っていた。しかし留学を経て外側から客観視した時、「堅苦しい国だからこそ、おもてなしや清潔感、時間通りに電車が来るなどといった良いところもある」と気づいた。このことに気づき、「自分は日本人の代表として外資系の会社には入ることはできない。」と思い、就職活動では日系に絞ることにした。また、留学前後や留学中にたくさんの方々にお世話になり、「世界の人々を助けられる、社会貢献できる仕事がしたい。」と思うようになった。国連の仕事にも昔から興味があったが、勉強ができるわけでもなく、コネクションも資格もなく国連の仕事に就くことを諦めずにいた時に東洋大学の業界セミナーで今現在勤めている会社に出会った。自分の好きな接客を活かしながら貢献していける会社と思い、今の会社に入ることにした。
留学をしなかったらここまで考えなかったかもしれない、今の会社に出会えなかったかもしれないと思うと、留学は自分のキャリア形成に大きく影響していると感じた。
 
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」
留学のために英語の勉強、又は他の語学を勉強されていると思います。
留学を目指す理由は様々かと思いますが、”留学がゴール”ではありません。
あくまで留学はひとつの経験であり、これからのキャリア(自身の将来)の通過点です。
留学の先を見据えている人はその熱い思いを糧に引き続き頑張ってください。留学を経て何かを見つけたい方、留学後にどうすれば良いかわからない方、留学中の目標を見つけ、是非その目標を糧に留学合格に向けて頑張ってみてください。
留学で何を学び身に付けるかは人それぞれですが、私の経験も参考にしていただければと思います。
しっかりと息抜きもしつつ、留学に向けて頑張ってください!

インタビュー実施日:2018/06/18

インタビューアーからのコメント

「印象に残った言葉」
印象に残った言葉は「実行力」です。私はいつも目標ややりたいことを見つけてもなかなか行動にうつすことができていません。思うことや、口にすることは簡単かもしれませんが行動にうつすことは誰もができることではないと思いました。しかし、海外にいったら自分が行動しなければ何も始まらないし、何も変わることはできないのだと思いました。環境やタイミングのせいにしないで自ら行動していきたいと思いました。

「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと」
私も、香帆さんと同じように幼いころから海外に憧れをもっており、将来海外と何かしらの形でかかわった仕事ができればいいなと考えていました。しかし、将来像がなかなかぱっとせず、長期留学も考えましたがあきらめてしまいました。
私も香帆さんと同じように英語の座学が得意ではなく、なかなかTOFELやTOEICの点数をあげることができていません。フルで授業をいれて、サークル活動をし、バイトをすると本当に英語の勉強にかける時間は限られています。しかし、香帆さんの話を聞いていて自分は本当にやれる限り頑張ることができているのだろうかと思い、香帆さんのように寝る間を惜しんで努力しなければいけないと感じました。人生のなかでこんなにも自由に勉強や自分のしたいことへ全力で挑戦できるのはなかなかないと思います。後悔しないように大学生のうちにやりきりたいと思いました。

インタビューアー:岡田 唯 (社会学部 メディアコミュニケーション学科 2学年)
留学は自分の人生観、キャリア観が大きく変わる貴重な経験です。
京都大学 大学院総合生存学館(思修館)准教授
関山 健 氏
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