インタビュー
外に出ることによって日本の良さを客観的にとらえることができる
横島 剛氏
2018年12月13日 501ページビュー 1年以上 イギリス イタリア オランダ スイス スペイン ドイツ フランス「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」
ヨーロッパの美術館巡り、ヨーロッパ美術史の学習
「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
長期の留学になると計画していたので、お金を貯めて資金面で困らないようにしたこと。
計画を入念に練って、意義のある時間、体験をできるようにしたこと。
現地についた時、またそこで様々な歴史的建造物や、美術作品、街並みを見た時に、その背景にある歴史を知っているかいないかで、感動の差は天と地の差であるので、あらかじめ行く先々の歴史の学習をしていたこと。この学習をするかしないかで、得られる成果の差は大きい。
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
国にもよるが、スリなどの軽犯罪に苦労した。例えば、訪れた当時の西ドイツでは、トイレに財布の入ったカバンを丸々忘れても、しっかり帰ってきた。しかしその当時のフランス、スペインでは、普通に歩いているだけで、巧妙なスリに遭遇するという。実際に複数の子供たちによるスリに遭遇したそうだが、日本語でまくしたてることで無事解決したという。言語はもちろんコミュニケーションツールであるが、言葉にならなくても迫力で何とかなる場合もあるのだなと思った。また多額のお金を持ち歩いていたわけではないので、お金の使い方にも慎重にならなくてはならない。現地での美術館巡り、ヨーロッパ美術史の勉強がメインの内容なので、レストランなどで食事をとることはせず、なるべく低価格で食費を抑えたこと。さまざまなできる贅沢を捨てて、質素な生活をしていたという。外国語を話せたわけではないが、現地の人々とのコミュニケーションにはさほど困った記憶はないという。
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?」
長期の留学となるので、多くの問題に直面することは間違いないと思っていたので、そこに不安はあったという。また言葉が通じないので、そこにも不安はあったという。
ただ実際に訪れてみると、前もってのヨーロッパの歴史の勉強が功を奏して、ヨーロッパの文化や歴史を、その身をもって実感できたという。単なる道を通ってみても、ここはあの時代にあんな人が通ったのだ、と知りながら風情を味わうのと、ここはあの人が昔と通ったのですよと言われてから、歴史的背景を実感するのでは得られるものは天と地の差であるという。また建造物の勉強もしていたので、街並みを眺め歩くだけでも、発見は多かったという。
「留学で得たものは何ですか?」
強烈な消えることのない、はっきりとした記憶があるという。そこでの収穫として話していたことがある。日本の美術作品や建造物は紙や木で作られており、永遠に残ることはない。そこに日本独自の美徳感があるという。一方、ヨーロッパの美術作品や建造物は石などの形を保ったまま残るものが多く、そこに西洋独自の美徳感があるという。
ここに上下関係はなく優劣は決められない。このように外から客観的な視点で日本の良いところを見つめなおすことができるという。
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」
視野が広くなったという。ひとつの出来事にしても考える量はふえたという。
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」
たとえ留学先で受け入れられないものだとしても、自分の意見をしっかりと持つこと。
流されることなく自分の意見をしっかりつたえること。なるべく長いほうが良い。
インタビュー実施日:2018/07/27
インタビューアーからのコメント
「印象に残った言葉」
外に出ることによって日本の良さを客観的にとらえることができる。反対意見が多くても自分の独自性を保つ。
「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと」
自分の父の話をこうして聞く機会ができて良かった。この期末課題がなければ今後、一対一で父の昔ばなしを聞くことは無かったと思う。自分も実際に日本を出てみたいと思う気持ちが強くなった。また行くにあっては、歴史などの学習も欠かさず行っていきたい。
海外経験について話を聞けたのは嬉しいが、それより父とこのような話をできたのは大きな収穫だと思う。
インタビューアー:横島 基 (経済学部経済学科1学年)