インタビュー
目の前のことを頑張る、そうすればいつかつながる時が来るから
齋藤 七海氏
2018年12月13日 214ページビュー 2年以上 ベナン「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」
元々教員になろうと思っていたが、大学卒業後すぐになっても生徒たちに自分の経験から伝えられるものがないと考え、日本を出てみようと思った。留学も考えたが、実際に住んで、働いて、現地での生活を肌で感じたい、今まで学んできた座学をどう生かせるのか試してみたいという気持ちが強かったから。
「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
その国に対する情報が全くないこと。どんな物がどれくらいあるのか分からず、シャンプーは2年分?パソコンは停電に備えて2台?などわからないことだらけだった。
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
もちろん公用語はフランス語だが、実際は文字のない現地語を使っているため、言葉の違い、また1日3回シャワーを浴びるほど暑い慣れない気候が大変だった。しかしそれよりも美容院がないということに1番困った。ベナンでは美容院で髪を切るという概念はなく、編む。そのため他の隊員とお互いの髪を切りあったり、現地の人に時には編み込んでもらったりした。
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?」
肌の色の違いで私たちのような黄色人種は「金持ち」というように認識されているため、よく「お金ちょうだい」と声をかけられたり、「ヨボ」や「中国人」と呼ばれ、つらかった。自分がやったことは村中の人に知られたこともあった。しかし、それをマイナスでとらえていては自分が苦しくなって、ストレスがたまるだけだから、「いかにユーモアに返すか」「楽しくやっていこう」といつも思っていた。また、どこに小学校があるかという情報すらないため、支援する小学校は自分で自転車をひたすらこいで探した。家から学校まで片道1時間半のところもあった。現地の子供たちは支援を受けなれているため、もらったものを使い終わったらその場で平気に捨てたりする。そのため、道徳的な部分の教育ができていないと感じた。
「留学で得たものは何ですか?」
「精神力」と「冒険力」。今は怖いものなど何もない。
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」
現在、外国人の多い小学校の先生をしているため、母国との差や孤独などの悩みをかかえる子たちがどんなことが不安なのか、大変なのか、という気持ちがわかる。そのため自分のベナンでの経験を踏まえて考え、力になってあげられる。
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」
「思い立ったら行けばいい」、「飛び込んでみたらいい、なんとかなるから」、「目の前のことを頑張る、そうすればいつかつながる時が来るから」
インタビュー実施日:2018/07/15
インタビューアーからのコメント
「印象に残った言葉」
「思い立ったら行けばいい」「目の前のことを頑張る」
「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと」
何よりもまず、どんな国なのか情報もほとんどないような国に2年間行くという覚悟を決め、慣れない環境の中、最後までやり通したことが本当にすごいと思う。青年海外協力隊というものは、留学より実践的な内容だが、「思い立ったら行けばいい」「目の前のことを頑張れば、いつかそれがつながる時が来る」という言葉は今までのゲストスピーカーの方々も口をそろえておっしゃっていた。そのため、一度しかない人生なのだから失敗を恐れずに色んな事に挑戦することがやはり大事なのだと改めて感じ「絶対に留学して色んな事を吸収したい」と思った。そして「留学する」という目標を実現するために、今できること、まずやらなきゃいけないTOEIC,TOEFLのスコアアップという目の前のことを精一杯頑張ろうと思った。また、どんなにつらく、自分が不利な状況になったとしてもそれをマイナスにとらえるのではなく、いかにプラスに変換し、楽しめるかということが生きていくうえで重要なことだと考えさせられた。
私も斎藤さんのように「怖いものなど何もない」と胸を張って言えるような、自分の経験を踏まえて誰かの力になれるような人になりたい。
インタビューアー:藤井 華帆 (文学部 国際文化コミュニケーション学科 1学年)