留学のすすめ.jp

Invitation to Study Abroad

Disseminating the Impact of Study Abroad
Inter-generational Knowledge Transfer

インタビュー

留学はその限られた場所の小さな点がどんどん広がっていくようなもの

井上千鶴氏

2018年12月13日  704ページビュー
1年以上   ドイツ   大学  

「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」
中学生のころから日本が自身の居場所ではないと強く感じ、大学では絶対に留学をすると決意して高校で英語を猛勉強。高校3年生の頃に英語検定準1級を取得し、英語をマスターしてしまった為、他の言語を勉強したいと考えドイツ文学科に入学後ドイツへ2回の短期留学を経た。その後、再度ドイツへ1年の長期留学を行う。
 
「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
留学中に苦労したことと関連するが、案外ドイツの方がいい加減な人が多く留学前に本部の人に問い合わせをしても返事が来なかったり、来てもあいまいなことがありベルリンに渡る際にも結局住むところがわからないまま留学をした。どこに住むのかわからないまま渡った為、どの寮に何があるかもわからず苦労した。
 
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
留学中も準備の時と同じくドイツの人は適当な面が多かったので、現地でやっとどこに住むかが分かりあてがわれた寮へと向かった。しかし、その寮先の部屋にはベッド一つしかなかく、必要最低限の物しかもっていなかった。そこで自身の性格を生かし様々な人に話しかけ毛布など貸してもらっていた。しばらく経ったあと同じ寮の日本人が帰国するというので必要な物を安く提供してもらった。郵便物も適当で、ポストに届かないこともしばしば。ドイツ銀行のキャッシュカードが届かず、何度も銀行に足を運ぶがアジア人のクレーマーだと思われ相手にされず。最終的に銀行に勤めるドイツ人と偶然知り合いカードを発行してもらえた。ドイツではよくストライキが行われていた。大学に入ろうした際には入口のところで引き留められ、お前は何者でどこへ何をしに行く?と毎回問答した後やっと通れるということがあった。一年の留学のうち3ケ月ほど授業がないことがあった。またアジア人という理由でネオナチに石を投げつけられるなど少々危ない場面もあった。
 
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?
わくわくしかなかったので、不安だったことはない。語学面も十分に勉強を重ねていたし、費用面も奨学金が大学から出たので特にはなかった。唯一の懸念材料といえば先ほども述べた通り住む先がわかっていないことくらいであった。そして実際に留学したら問題なくなんとかやってはいけた。人生ってなんとかなるもんだ、と思った。
 
「留学で得たものは何ですか?」
留学をしていなかったら今の自分の価値観は得られていなかった。世界中に友人が出来たということも自身が得たものである。有名な大学で学び何かを得た、というよりは普段の日常生活の中での価値観であったり友人であったりを獲得できたことが自身にとっては大きい。世界のどこかで起きたことを自分に重ね合わせて考えられるようになった。
 
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」
海外に関わった仕事がしたいと思って、電機メーカーに就職した。最初の三年間は航空会社の営業を、その後5年間は中国・台湾を中心にインフラ関係の営業の仕事をしていてた。日々仕事に忙殺されていた時、渡航先のアジアの子供たちを見て思うことがあり教師を目指す。教職のとれる通信制の大学に仕事をしながら通い無事教務員免許を取得後、高校の国語教師となる。
 
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」
私たちのいまの日常は世界からみたら何百万、何十億の内の一つの点でしかない。留学はその限られた場所の小さな点がどんどん広がっていくようなもの。知らないものをみることはとても有意義だと思う。自身にとっては楽しかった。皆さんも人生を楽しんでください。

インタビュー実施日:2018/06/16

インタビューアーからのコメント

「印象に残った言葉」
ネオナチに石を投げられて海外はこういうものだと感動し興奮した、との言葉が印象的であった。それを言っている時の表情や興奮した声で本当に海外との繋がりや違った感性、価値観が好きなのだと感じた。何よりそういった危ない場面でさえも楽しんでしまっているということが留学の楽しみを余すところなく楽しんでいるなと感じさせた。私も早くカルチャーショックを受けたい、留学してみたいと思わせる発言であった。

「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと」
今回インタビューを受けて頂いた千鶴さんは私の高校時代の恩師だが高校在学時から留学の体験談などは聞いていた。その時から楽しそうだと思っていたし行ってみたいと思っていた。従ってこの留学のすすめを受講したのも必然ではあった。今回改めてしっかりと留学の話を聞いて、また更に留学への意欲が高まりつつある。しかし、私のなかで不安になることが増えたのも確かではある。彼女の価値観であるとかは私と合う箇所もあるが性質でいえば異なっているといえる。彼女の社交的な部分が私には少々不足していると感じた。また語学のセンスやどうしようもない人間個人の能力に関して、私は足りないと思ってしまった。そう思ったのは事実だ。だが逆に今後私はどうしたら自身にあった留学を遂げられえるだろうかと考えることが出来た。今回インタビューをさせて頂き自身の曖昧に形成された目的や意義などを整形できたと思う。

インタビューアー:木間風華 (国際学部国際地域学科1学年)
留学は自分の人生観、キャリア観が大きく変わる貴重な経験です。
京都大学 大学院総合生存学館(思修館)准教授
関山 健 氏
失敗は成功のもと
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ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社
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後藤 愛 氏
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