留学のすすめ.jp

Invitation to Study Abroad

Disseminating the Impact of Study Abroad
Inter-generational Knowledge Transfer

インタビュー

言葉は日本で学び、何か目的を持って留学すべきだ

柏俣 賢人氏

2018年2月20日  1,199ページビュー
アメリカ合衆国   イタリア   その他  

「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」
 中学生の時のフランスへの短期留学で、海外の面白さが分かり、視野が広がった。ルーブル美術館などで本場の芸術に触れ、心が動かされた。本場の芸術を肌で感じ、感動することは、なかなか日本では経験できないことだと思った。その記憶もあって、もう一度芸術に触れたいと思い、1回目のヨーロッパへの渡航を決めた。その留学を通して、芸術に触れることはできたが、語学力が無いために、コミュニケーションを通して、文化の違いを感じることができなかった。その悔しさから、大学4年までにもう一度行こうと決め、それまで必死に語学の勉強をして、2回目のバックパックをした。
 
「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
 言葉を学ぶ為の海外渡航はしたくなかった。日本では感じられない文化の違いを知るための手段としての、語学力を上げるための勉強に苦労した。
 1回目のバックパックの反省を活かして、2回目は、日本食や簡易式の温水便座などの日本製品を持っていくようにした。
 
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
 日本が好きだったから、日本食があまり食べられなかったことが苦労した。
 一番苦労したことは、あまり宿にお金をかけられなかったことだった。ロサンゼルスのチャイナタウンの安いホテルに泊まった時、真夜中に外で銃声が聞こえ、命の危険を感じた。ホテルの部屋が取れなかったときは、野宿する事もあった。
 
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?」
 1回目は、パスポートをなくして日本に帰れなかったらどうしようとか、海外には自分の知り合いがいないから、言葉が通じなかったらどうやって助けてもらおうか、と不安でいっぱいだった。2回目は、英語も話せるようになって1回目よりは気持ちが楽だった。
行ってみたら、優しくしてくれる人も多いということが分かった。
海外に行ってみて感じたことは、自分が海外に向いていないということ、日本が大好きだということだ。海外には住みたくないなと思った。これは海外に行ってみなかったら分からないことだから、行ってみたことは良い経験だった。
 
「留学で得たものは何ですか?」
 改めて日本が好きだということが実感できたこと。考え方、自分の視野が広がったこと。
 何か考えるときに、世界レベルで何かできないかな、などと考えられるようになった。たとえば、今自分は教育者として働いているが、日本の教育をどうにかして世界に広められないかなどと、世界に目を向けて考えられるようになった。
 
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」
 留学を考えている生徒に自分の経験を伝えられる。教育者として生徒にアドバイスできることは多い方が良いから、留学・バックパックの経験は今の職業に生かせている。
 また、教育者はあまり海外に行くことがないと思っていたが、出張で行く事も何度かあり、海外の経験が役に立った。研修として、教育に優れているカナダに出張した。その時は、びくびくせずに堂々と行く事ができた。
 教育者として、世界レベルで考えられるようになって、生徒にも伝えられることが多いことは良いことだと思った。
 
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」
語学のためには行かない方が良い。日本で言葉はある程度学べるから、別の目的のためのツールとして言葉を使う方が留学する意味があると思う。言葉を学ぶ為に留学するのはもったいない。たとえば、将来海外で働きたいなら、実際に企業に訪問してみる。文化を感じたいなら、喫茶店やバーなどに入ってみて積極的に現地の人と交流してみる。海外の人と話すことはその瞬間しかできない。
語学留学にために海外に行った生徒と、何か目的を持って海外に行った生徒は、帰ってきたときに、明らかに差があった。得たものの質も違うと思う。だから、何か目的を持って留学してほしい。
もし、自分が大学生に戻って半年間留学できるとしたら、海外の大学に入って講義を受けたい。自分が大学生の時、お金のことで、留学したいと両親に言い出せなかった事が心残りだった。だから、もしお金の面で留学できないと思って両親に言い出せなくて、留学を諦めているなら、きちんと両親に相談すべきだ。後悔はして欲しくない。

インタビュー実施日:2017/04/30

インタビューアーからのコメント

「印象に残った言葉」
 「言葉は日本で学び、何か目的を持って留学すべきだ。」という言葉が印象に残った。この言葉は、今回私がインタビューした柏俣さん以外にも、ゲストスピーカーの方々も仰っていた言葉だ。目的を持って留学できるようにしたいと思った。

「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと」
 今までのゲストスピーカーの方々や、柏俣さん、その他の留学経験のある方々は口を揃えて、「目的を持って留学すべきだ。」と仰っていた。今までは漠然と留学をしたいと考えていたが、このインタビューを通して、目的を持って留学すべきだと分かった。私は、外国の文化に興味があるので、それについて学ぶ留学をしたいと思った。

インタビューアー:海老澤 綾乃 (東洋大学)
留学は自分の人生観、キャリア観が大きく変わる貴重な経験です。
京都大学 大学院総合生存学館(思修館)准教授
関山 健 氏
失敗は成功のもと
フードダイバーシティ株式会社
ヨコヤマ・アンド・カンパニー株式会社
横山 真也 氏
留学は行くべし
後藤 愛 氏
楽しかったこと、辛かったこと、全てが自分の糧になります
東洋大学国際学部国際地域学科教授
岡本郁子 氏
「青年の船」が人生の船出
一般社団法人 グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)
鈴木大樹 氏
『世界一周して千人カット』美容師の桑原淳さんへインタビュー
美容室 Up to You / サロカリ代表 / 超超エリート株式会社 代表取締役
桑原淳 氏