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インタビュー

「草の根技術協力事業」に携わり、発展途上国の生活発展を目指す

辻 貴行氏

2017年10月20日  602ページビュー
ブラジル   大学院(修士)  

【インタビューゲスト】 辻 貴行 さん
(独立行政法人 国際協力機構 東北支部(JICA東北)市民参加協力課 専門嘱託)
15年間NGOで活動したのち、現在ではJICAで「草の根技術協力事業」に携わり、実際に海外の現地に赴いて団体や発展途上国の人々と共に地域住民の生活に役立つ事業を推進している、JICA東北支部の辻貴行さんに、現在のお仕事から、そのきっかけとなった学生時代についてお話を伺いました。
 
(学生)――「草の根技術協力事業」において、普段はどんなお仕事をされているのですか?

国際協力の経験が少ない自治体やNGOなどから提案された、途上国への協力活動についての事業アイデアを伺いながら、案件形成などのサポートを行っています。半年や一年ほど長い時間をかけて相談を受け、選考や事業実施中の経理報告を受けたりします。
選考を通った団体と共に、視察のために実際に海外の現地に赴くこともあります。
 
(学生)――現在の職に就くきっかけとなった学生時代の海外体験には、どのようなものがありましたか?

大学では、「探検部」に所属して海外の途上国にいって冒険旅行をしたり、文化調査を行いました。大学2年次にはモンゴルにて自転車旅行を行ったり、3年の終わりにはソロモン諸島にいって戦跡踏査をしたり日本兵の歩いた後をたどったりもしました。現地の人とコミュニケーションをとりながら自分たちで冒険する経験を経て、外国で現地の人たちと仕事をすることに楽しさを覚えました。そして、卒業後はマングローブの植林活動を行うNGOに就職しました。15年間の活動の中で、20代半ばから主に南米のエクアドルやブラジルを中心に担当しました。特にエクアドルは、8年間日本と現地を行ったり来たりしてましたね。その後ブラジルにも3年間行ったのですが、これらの活動ではJICAから支援金を貰ってい ました。そして34歳の時、留学という形でブラジルの大学院に行き、これまでの活動をまとめて荒地におけるマングローブの成長について学び、修士号を取りました。帰国後は、現在の職であるJICAに就職しました。
 
(学生)――なるほど。では、学部生の時には留学にはあまり興味がなかったということですか?

そうですね、文学部地理学科だったので元から外国に興味はありましたが、留学したいから外国に行ったわけではありません。探検部の活動に興味を持ち、外国に行きたいと漠然と思っていました。色々な切り口で外国に興味を持つと言う点では、本当に人それぞれだと思います。留学が正解とも限らないですし。学部時代のフィールドワークを通じて現地の生活を実際に自分の目で見たことで、海外の現地の人と活動を行うことに魅力を感じました。自分とは全く違う価値観を持って楽しく生きている人たちの生活に触れたことも、刺激的でした。また、発展途上国の貧しい生活を体験したことも大きいですね。海外での活動中に現地の病院に行ったことがあるのですが、日本のようなちゃんとした治療があるわけではありませんでした。このような経験から、環境保全や生活支援など、自分のやりたいことが見つかりました。これからも、自分なりのペースで地域発展に貢献していけたらなと思います。

インタビューアーからのコメント

インタビューアー:泉屋咲月(東北大学文学部人文社会学科1年)
留学は自分の人生観、キャリア観が大きく変わる貴重な経験です。
京都大学 大学院総合生存学館(思修館)准教授
関山 健 氏
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