インタビュー
「留学で得た社会性が今になって役に立っている」〜ハーバード大学大学院ビジネススクールに留学して〜
大石佳能子氏
2017年10月20日 560ページビュー アメリカ合衆国 大学院(修士)1961年大阪府に生まれ、大阪大学法学部を卒業したのち、日本生命に就職するが日本生命を辞めてハーバード大学大学院(ビジネススクール)に留学。そこでMBAを取得し、そのままアメリカでマッキンゼー・アンド・カンパニー・インク ニューヨーク社に1987年に入社。翌年に日本支社に入社。1998に子供が生まれたが、その時の病院の医療システムに納得がいかず、2000年にマッキンゼーを退職し、自身で株式会社メディヴァを設立。医療コンサルタントとして病院のシステムをより良い方向へと変え続けている。留学に関すること、その後の人生の過程を石田涼華と武田真穂がインタビューを行った。このインタビュー記事は石田が担当する。
◎もっと面白いことをしたかった
大石さんは前述にように大阪大学卒業後、日本生命に勤めていた。当時は男女雇用機会均等法もなく仕事場において女性は男性より扱いが不平等であった。大石さんは人前に立って仕事をしたいという気持ちも強く、もう少し仕事をしたい、もっと面白い仕事をしたいと思うようになった。当時の日本ではビジネススクールがなかったのでアメリカのTOP10に入るような大学院5〜6校に願書を出した結果、ハーバード大学のビジネススクールからの受け入れがあったのでハーバード大学院に留学することにしたという。
◎留学先では色々大変だった
留学先ではやはり多くの困難があった。それは日常の生活から学校の授業まで範囲は様々である。全てに共通して言えるのはとにかく言葉がわからないことであった。私自身もアメリカへの留学の経験はあるが、初めの3〜4ヶ月は言葉が通じず相手が何を言っているかも聞き取れずとても苦労した。現地の人がメインで入る大学に通って、現地の人のレベルで授業を受けるのはかなり大変だったという。授業の面ではビジネスが各国で異なることが大変だった。生活面においては、日本とは違う食事の準備の仕方とか、世界中から多くの留学生がやってきていたという点で各国の文化にショックを受け理解に悩んだ。
◎留学先の授業で身につけた力が今の自分の仕事に役立っている
留学先での授業は講義形式ではなくケーススタディーをメインにしていた。ただ授業を受動的に受けるのではなく、仲間とともに「このビジネスについてどう考えるか」というケーススタディーを能動的に行うことで、自分の意見を言う力、とっさに考える力、その場でできることを考える力を身につけるとともに、リーダーシップや社会性を得ることもできた。そこで得た社会性やリーダーシップは大石さんが株式会社メディヴァを立ち上げて以来、会社を運営するのに非常に役に立っているし、ずっと抱いていた「世の中を変える仕事」を手がけることが現在できている。
◎留学することで何か新しい扉を開くことができる
大石さんはグローバルな仕事が好きになった理由はやはり留学をしたからだと言う。確かに留学することは勇気のいることであるし不安も多い。明確な目的を持って留学に行かないと意味がないとも思われる。しかし実際は難しく考えず、とにかく留学という新しいことに自分から飛び込んでいくことで、新しい経験、新しい自分をみつけ、何かしらは必ず得ることができる。1年間の留学で得るものの価値は、日本で1年間過ごして得たものの価値よりもはるかに高い。新しい自分を発見するために、ぜひ多くの人に留学に行って欲しいと考えていると言っていた。
インタビューアーからのコメント
インタビューアー:石田涼華(東北大学医学部保健学科看護学専攻1年)