インタビュー
留学でグローバルスタンダードを知る
斎藤クリスティーナ彩子氏
2017年10月20日 564ページビュー カナダ 高校インタビューゲスト:斎藤クリスティーナ彩子さん(国際連合職員)
私の高校受験時の塾の講師であり、現在は国連職員という非常に国際的な職業に就いている斎藤クリスティーナ彩子さんに、学生時代の留学経験や、それがどのようにして現在の活動に生きているのかなどについて、2017年7月21日に、スターバックス東仙台店にてインタビューさせて頂きました。
―― 最初の留学はいつ、どのような動機で、どこへ、どのような留学をされたのですか
高校生の時、2か月間、カナダへ留学しました。
オーストラリアで幼少期を過ごしたために身についたオーストラリア訛りの英語を、世界一発音がきれいといわれるカナダの英語に触れることによって直したいというのがもともとの動機だった。
実際に行ってみると、確かにきれいな英語も話されていたが、交流の機会はインド人など非英語圏出身の留学生とのものの方が多く、様々な異文化に触れる機会に恵まれ、また教師が生徒の授業態度に関与しない(授業中にお菓子、携帯など)、日本とかけ離れた授業などを見て、とにかく多くのカルチャーショックをはじめて経験した。
これにより、日本基準の考え方にとらわれてはいけないという思いと、より多種多様な異文化を知りたいという気持ちが高まった留学だった。
―― その次の留学に関しても、同じようにお聞かせください
最初の留学で高まった様々な異文化を知りたいという気持ちから、それを一回、一か国への留学で経験する事ができることを期待し、大学一年時に三か月ほどニューヨークへ留学した。
カナダへの留学の時と同様に、南米出身の留学生など、様々な異文化、人種とのふれあいを経験し、ここでもやはり、日本と大きくかけ離れた世界の基準、グローバルスタンダードを体感し、多くのカルチャーショックを受けたが、それらを大いに吸収した留学だった。
―― 三回目の留学に関しても、同じようにお聞かせください。
幼少期のオーストラリア、その後のカナダ、アメリカといった、英語圏の国々への留学を経て、他の英語圏の文化と明らかに異なるイギリス人の文化、考え方に強い興味をもち、それをより知りたいと思い、大学三年時にイギリスへ、三か月程度留学した。
それまでの留学は留学生寮を利用してのものだったが、この時はイギリス人の家にホームステイし、彼らの文化をより身近に知ろうとした。イギリス人の長い歴史を持つ自国への強い誇り、自国の言語である英語への誇り、アメリカ人などと異なる、細かい一つ一つのものにこだわる独特な美徳にここでもカルチャーショックを受けた。
―― 留学を経て学んだことを、どのようにキャリアへ生かされたのですか。
まず最初の、塾講師という職業選択において、留学で得た経験は大きく影響した。
留学中に触れあった、非英語圏の留学生たちが、文法がめちゃくちゃでも、伝えたいという気持ちと、全く臆することがないというメンタリティで、単語を並べ立てて話し、コミュニケーションをとっている姿をみて、日本の、「話す」ということに重点を置かない英語教育を変えるべきという思いをもち、英語教育に現場で関わるため、塾講師になった。 実際にも、「話す」ということに重点を置いた授業を実施していた。
その後の国連職員という職業においても、留学で得た語学力、そして多種多様な異文化、グローバルスタンダードを経験していることが、採用されたこと、実際の世界中の人々と関わる仕事をしていくことに非常に大きな影響を与えた。
―― これから留学をする人に向け、留学とは?ということについて彩子先生の考えをお聞かせください
留学においては、やはり、世界には様々な基準、いわゆるグローバルスタンダードがあることを知り、それにより、日本基準の、「話せない」英語教育と恵まれた環境を普遍視しない視野の広さ、世界基準を知ることが世界に出て、国際的に交流する上での最低限の礼儀であることという感覚をもつことをするべきと考える。
また、実際に自分は海外での仕事に向いているのか、日本国内において活動すべきかの見極めをすることもすべきである。
インタビュー実施日:2017/07/21
インタビューアーからのコメント
今回、先生の留学経験をうかがうことができ、留学に関してまた新たな視点を持つことができました。これまで、留学経験のある方のお話を聞くことは何度かあったものの、多くの方は自分の学問をより深く学ぶことを目的とした留学をされていた中、かなり大きく異文化理解に比重を置いた留学、それをキャリアへ生かしていったというお話は、留学において、異文化理解がかなり大きな意味を持つことを感じさせられるものでした。
インタビューアー:内城未久(東北大学文学部人文社会学科一年)