インタビュー
“言葉の大切さ”を重視し、より良い世界を目指す
中村晃氏
2017年10月20日 195ページビュー 2年以上 アメリカ合衆国 大学院(修士)[インタビューゲスト]中村晃さん(外務省 総合外交政策局海上安全保障政策室)
バングラデシュ・エチオピアの日本大使館の勤務経験があり、現在、外務省の総合外交政策局海上安全保障政策室で活躍なさっている中村晃さんに、留学から学んだこと現在、生かされていることについてお話を伺いました。
Q.留学をしたきっかけは何ですか?
A.外務省に入省すると、各言語が割り当てられて、一年間の研修期間ののちにその言語のところに二年目、三年目に大学院に行くというシステムになっていて、私は、英語だったので、アメリカに行ったということです。学部時代から行きたかったのですが、外務省入省後の留学となりました。
Q,大学院では何を学びましたか?
A.ニューヨーク州のシラキュース大学Maxwell行政大学院に入学し、以前から興味があった国際関係論と今後行政官・官僚として必要なスキルの取得のため行政学を専攻しました。アメリカの授業は、ディベート・ディスカッションが多く、当時英語がそんなに流暢ではなかったので苦労しました。また、ディベートに積極的に参加しないと、「なぜ授業に参加しているのか」というような雰囲気も若干あったため、小さなことでも発信していました。また、日本人があまりいないクラスであり、学生でも日本人の代表という気持ちをもって、日本の立場を代弁することも求められていました。
Q,留学を通して学んだこと・現在生かされていることは何ですか?
A,アメリカであっても、実際行ってみると思っていたものとは、違っていましたね。かつアメリカのことを知るということでもあったのですが、それと同時に比較対象ができ、また留学により外から日本を見たときどうなのかを考えるようになったことが大きかったのかなと思います。アメリカは留学生も多く、いろいろな人がいてそこからも多様性をうまく受け入れられるようになりました。
Q,留学の魅力はなんですか?
A,色々な背景を持った人に会える、日本人、アメリカ人、アメリカに来ている留学生との出会いを通じて色々な話を聞いて、自分の知らない世界を知るというのが留学の醍醐味かなと思いますね。また、語学能力が伸びましたし、以前より会議等でより積極的に発信していく心構えになったと思うので、少しは留学により自分が変わるのではないですかね。
Q,留学経験者とそうでない人との違いは何だと思いますか?
A,留学や海外経験をしていないから駄目だということはないのですが、海外に滞在した人は、経験に基づいてその国について、発言することができるということもそうですし、そういう観点を踏まえて日本のことを見るなり、日本について語ることができるというのはプラスなのだろうなとは思いますね。また、違いを受け入れるのが苦ではないということもあるかと思います。
Q,今後の展望について教えてください
A,週に1回ほど通訳の仕事もさせてもらっているのですが、そういう時に感じるのは言葉の大切さを感じ、意識しなければならないと思っていて、引き続き言語能力を維持・向上させていきたいと思っています。また、一対一の担当官同士で話す時には、いかに相手の立場を踏まえつつ、自分、日本の考えを伝えて、説得するなり、交渉するなりすることが重要で、言葉の大切さプラス人間として個と個の関係を重視することを外交官として強く意識していきたいと考えています。
インタビューアーからのコメント
インタビューアー:佐藤由一朗 (東北大学法学部法学科1年)