インタビュー
語学力が伸び、自信をつけることができた
佐川美香氏
2017年1月31日 720ページビュー 1年以上 インターンシップ オーストラリア[インタビューゲスト]佐川美香さん(北園高校英語教諭)
現在、北園高校で英語を教えている佐川美香さんにインターンシップの体験談をお伺いしました。
(高橋)—一度教諭になった後27歳で約1年間インターンシップをしようと思ったきっかけはありますか?
生徒に教える時、自分の引き出しが足りないため、どうしても教科書通りにしか教えることができず、現地に行って文化や日常会話を肌で感じたいと思いました。また、海外の教育現場を見て、勉強したいと思いました。インターンシップの募集の中に一年後帰ってきてまた教員として働くことができるものがあったのも大きかったです。
(高橋)—実際に海外現場に行って学んだことはなんですか?
私はオーストラリアの日本語教員アシスタントとして働いたのですが、現地の教育では文化的なことをたくさんやっていることに驚きました。例えば、折り紙をやったり、平仮名や書き順を覚えるのに習字を使ったり、単語カードを作ってかるたのように遊びながら覚えたり、日本食を作ったりしました。日本語を勉強するのに、みんな楽しんでいました。現地の教員は日本の楽しさや文化を伝えながら教育をしていました。日本では、語学を勉強するのに生徒はいつも受け身で、学びたい意欲を持てないままやらされていると感じる生徒も多いですが、オーストラリアの生徒は皆積極的に日本語で挨拶をしてくれたり、学びたい意欲を感じました。もちろん、日本人が英語を学ぶのとオーストラリア人が日本語を学ぶことは、姿勢に大きな違いがあります。英語は公用語であるため日本人は真剣にやらなきゃいけないのに対し、オーストラリア人にとって日本語はoptionであり、やりたい人だけが学びます。それでも、オーストラリアの教育のように言語を文化も混じえ楽しく学ぶことは重要であると思いました。インターンシップに行って、外国語は楽しんで学ぶものだと、再確認しました。
オーストラリアのどこに派遣されたのですか?
(高橋)—インターンシップに行った前と後で変わったことはありましたか?
まずは、やはり日常で英語を使うことが迫られるので語学力が伸び、自信をつけることができたことは大きかったです。また、この経験から授業でも補足のエピソードを実体験から生徒に伝えることができたり、英語の楽しいことと学んでほしいことを伝えることもできるようになりました。例えば教科書だけにとらわれない世界での言語の使い方なども伝えることができるようになりました。それだけでなく、日本人の個人個人においての環境意識低さを感じました。例えばベジタリアンやビーガンの人は、自身の健康を考えてのことだけでなく環境も考えて野菜生活をしています。牛肉を食べるためには、牛を育てるため野菜の数倍の費用を必要とし、牛から多くのメタンガスがでます。そのため自主的に野菜を取り、環境への取り組みをしているというわけです。それから現地の人と話をする中で、日本の良さを改めて知ることが出来ました。私が行った時はちょうど東日本大震災があって、混乱状態の中暴動などが起きない日本人を褒めていたのを聞き、誇りに思いました。また、日本には習字やかるたなど、独特の文化がたくさんあるのも魅力だと思いました。ほかにも、オーストラリアはベジタリアン用や宗教を考慮した食事が選べ、そうした多文化適応力が高いと思いました。日本は宗教がないのですが、様々な文化を持つ外国の人々と共生するための取り組みを日本でももっと進めるべきだと思いました。
インタビューアーからのコメント
私は美香さんが一度教員になったにもかかわらず、11ヶ月のインターンシップをしようと思ったことがすごいと思いました。私は一般的には、仕事に就職したあとに海外留学やインターンシップを行うことは難しいだろうと考えていましたが、美香さんのお話を聞いて、学びたい・体験したいと言う意欲があればいつでも行動を起こすことはできるんだと思いました。また、美香さんが海外体験を通じて感じた、”語学は楽しみながら学ぶことが大切である”ということを実感しました。今の私は受け身でやらされていると感じながら英語を学んでいる気がします。だから、これからは楽しみながら学びたい意欲を持って語学に励みたいと思いました。
インタビューアーからのコメント
今回のインタビューを通し、海外と日本の教育の違いを改めて感じました。もちろん座学の勉強も多くあったそうですが、楽しんで日本語を勉強する取り組みもあったのが、素晴らしいと思いました。言語を勉強することは楽しいことだと理解した上で勉強に取り組むのと無理やりやらされて勉強するのとでは大きな差があります。この差を日本はもう少し埋めるべきではないかと考えました。それは、オーストラリアのように言語だけでなくその国の文化を混じえて学習するということです。そうすることでもっとその国に親しみを感じ、自然と意欲も出てくるのではないかと思います。私も言語の学習をする際に、その国の文化を知りながらやっていきたいと思いました。
インタビューアー:高橋 あすか(東洋大学1年)