インタビュー
「自立」について学んだ留学
賀山 勉氏
2017年1月31日 2,378ページビュー 3カ月以上 アメリカ合衆国 語学学校インタビューゲスト 賀山 勉 (電機メーカー 社員)
賀山勉(私の父)は人に頼ることが嫌いで、できることはすべて自分でやろうとします。そして私にもそうなってほしいと考えているらしく、それは私が質問をしたときに「自分で考えてどうしてもわからなかったときだけ人に聞きなさい。」と返してくる程です。父がそんな風に考えるようになったきっかけは父の留学体験の中にありました。
-留学に行こうと思ったきっかけを教えてください
21歳の大学の春休みのとき、アメリカの、サンフランシスコ、サクラメント、ロサンゼルス、サンディエゴにホームステイでの語学研修に行きました。YMCAという慈善団体が運営しているプロジェクトに参加し、三か月間で合計四件のお宅にホームステイさせてもらい、さまざまな経験をしました。研修に行こうと思った理由は、元々海外の生活に興味があり、特に最先端国のアメリカを見てみたいと思ったからです。
-留学してなにが一番印象に残りましたか。
驚くようなことはたくさんありましたが、特にアメリカの学生の自立心・独立心の強さには衝撃を受けました。どのホームステイ先のお宅でも、「自分は日本では実家から大学に通っている」と言うとびっくりされました。アメリカでは高校を卒業すると大人として扱われ、一人暮らしをして生活費も学費も自分で出すことが当たり前だったからです。私は学費以外のお金はすべて自分で出していたので十分自立していると思っていましたが、自分の甘さを痛感しました。また日本の学生全体が親に甘えている傾向にあると思いました。
-留学を経験して、その後の生活はどのように変わりましたか。
自分も「人に頼らず生きていこう。」と思い、就職の際の会社選びや結婚式の段取りや費用など自分の人生に関わることは一切親に頼らず、自分で決め準備していきました。また、仕事でもそれは生きています。ひとたび問題が起こるとそれを解決しようとしないで避けて通ろうとする人が多いのですが、私は違います。自分で解決しようと自ら挑んでいきます。家では車検を業者に頼らず自分でやったり、日曜大工でタンスを作り付けにしたり壁を張り替えたり、電気の配線を変えたりと今までにさまざまな事をしてきました。すべて「自分でできることはすべて自分でやろう。」という決意があるからです。
-これからはどんなことを行っていきたいですか。
これからの目標は老後も人の世話にならないことです(笑)。年をとってもできることはたくさんあるし、これからも自分のことはなるべく自分でやっていきたいと思います。
インタビュー実施日:2016/06/20
インタビューアーからのコメント
父が様々なものを作ったり直したりしている姿は子供のころから見てきましたが、そこには父の信念が表れているのだとわかりました。
「留学で学んだことをどう就職に生かすか。」ばかりに気を取られていましたが、就職後の仕事でも私生活でも自分の意識次第で生かすことができるのだと思いました。また父はよく「俺は海外を見て人生が変わった。」と言っていました。本当にそれは言葉通りで、父は自己形成のための大事なものを留学で手に入れたのだと思います。
インタビューアー:賀山美樹(東洋大学1年), 江澤友里香(東洋大学1年)