インタビュー
英語を勉強した分に比例して、確実に世界が広がる
栗原真位子氏
2016年11月11日 443ページビュー 1年以上 オーストラリア 語学学校【インタビューゲスト】栗原真位子さん
(外資系アパレル企業 人事部採用担当)
帰国後、英語を使う仕事に従事。マスコミ関係、留学支援、アパレル人事を経験して、好きなものである、洋服・英語・人事の仕事を全部合わせた仕事を見つける。
まず、いつ、どこの国に、どれくらいの期間、留学されていたのですか?
私は、大学卒業後にオーストラリアのシドニーに1年半の間留学していました。
では、留学をしようと思ったきっかけは何ですか?
特に大きなきっかけがあったわけではありません。きっかけを探すとするならば、中学生のときに、家にオーストラリアの学生が1年間留学に来たことだと思います。日本語をほとんど話せない外国人が果敢に日本にやってきて日本語を一生懸命に勉強する姿を見て、世界にはいろいろな人がいて、いろいろな世界があるのだとカルチャーショックを受けたのを覚えています。このように外国人が身近にいたことや、両親の影響で子供の頃から海外旅行に行っていたことなどから、他の人と比べると、外国人や海外への壁というものが低かったように思います。そして、英語に対する漠然とした興味で高校の英語科に進み、大学も英語教育に力を入れている学部に進学しました。そして、将来のことをあまり考えないまま就職活動の時期が来てしまいました。そこで初めて将来のことを考え、英語抜きの将来は考えられなかったので留学を決めました。このときは、就職のためというよりは、英語や海外、海外の人や文化と関わらないままでいいとは思わなかったし、自分が英語を話せるようになって初めて、自分の進路や就職先を考えたいと思っていました。
留学中はどのようなことを学んだのですか?
専門分野に興味はなかったので、英語で何かを学ぶというわけではなく、英語を学びました。私の家に来ていたオーストラリア人の留学生の家にホームステイをしながら、語学学校に通いました。1年半の間に2校の語学学校に通い、まず1つ目の学校では、半年間ひたすら英語の基礎を勉強しました。その学校を卒業して、もっとバラエティに富んだ授業が受けられる語学学校に1年通いました。そこでは、TOEICの勉強や、英語の先生の資格の勉強を中心にしました。英語の先生の資格は無事にとることができ、とてもうれしかったです。
では、英語以外に留学を通して学んだことはありますか?
見知らぬ人とコミュニケーションをとることに抵抗がなくなりました。オーストラリアでは、バス停に並んでいる時に見知らぬ人に話しかけられたりして戸惑いましたが、1年半の間に慣れ、今では困っている人がいたら自ら声をかけたいと思うようになりました。
留学中に苦労したことや、達成したことがあれば教えてください。
まず苦労したことは、発音やイントネーションなどを身に付けることです。特にイントネーションは、ネイティブスピーカーが文に自然につけている抑揚が、自分ではどこにつければいいのか全く分からず、つけることができませんでした。これを克服した勉強法としては、英文をたくさん聞くことです。毎日リスニングをして耳で覚えました。耳が慣れると、自分でもだんだんと抑揚をつけられるようになりました。次に達成したことですが、留学中に何かを達成したと感じることはほとんどありませんでした。帰国して、TOEICで870点をとり、そのとき初めて留学の成果を実感したように感じます。
留学をしたことで、将来についての考えは変わりましたか?
やはり英語は必須だと思いましたし、自分のやりたい仕事を見つけることができました。英語を使った仕事をしたいということと、洋服を好きという、この2つのことが自分のキャリアにつながっていると思います。私は、仕事をする上で、英語ができなくても問題はないと思います。しかし、英語を学んだことで有利な点は増え、キャリアの可能性が広がったと思っています。
学生のうちに留学をしたほうがいいと思いますか?
英語を話せるようになったほうがよいとは思いますが、留学をすべきだとは思いません。私は自分の性格上、切羽詰らないとできないタイプだとわかっていたので、留学という選択肢を選びましたが、英語は才能ではなく、本人の興味とやる気次第で、勉強した分だけ身につくと思います。そのため、日本にいても努力次第で、英語は習得できると考えています。
現在も英語の勉強は続けているのですか?
留学から帰ってきてから最近まで、しっかりとした英語の勉強はしていませんでした。しかし、最近になって、スカイプを使った英会話を始めました。やはり英語を口にする機会が少なく、英語を忘れつつあるので、忘れないようにするためにやらなければならないと思ったからです。この英会話は、空き時間にできるのでとても便利です。英語を使うようになるとすぐに英語を思い出してきました。やはり、英語は継続することが大切だと感じています。
これからのことはどのように考えていますか?
仕事をする上でも、生活をする上でも、英語が必要だという考えは変わりません。自分のペースで、自分が必要だと思う分だけ勉強していくと思います。周りの人に対しても、「こんな時、英語で何というの?」というような質問に答えるなど、人を助けられたら嬉しいです。家族や友人でも、少しの興味でいいので英語に関する質問をしてくれれば喜んで教えていますが、求められる以上に押し付けることはしていないです。それは、英語に対して魅力を感じられるかは人それぞれだと思っているからです。
最後に、留学をしようとする人にアドバイスを頂けますか?
私は、今振り返ってみても英語を勉強しないという選択肢は考えられません。英語を勉強した分に比例して、確実に世界が広がると感じました。しかし、壮大な目標を持つよりは、自分に必要な英語を学べばいいと考えています。実現可能な、例えば、TOEIC○○点や、一人旅をできる程度の英語力を身につけるなど、わかりやすい目標を持ち、それをクリアしていくことで、着実に進歩できると思います。
インタビュー実施日:2016/06/04
インタビューアーからのコメント
私がお話を聞いて感じたことは、留学をするということよりも、英語を身につけることのほうが大切だということです。栗原さんは、日本にいても努力次第で、英語は習得できるとおっしゃっていました。しかし、逆を言えば、留学をしても、努力をしなければ英語は身につかないということだと思います。私は留学をしたいと思っていますが、留学することをゴールにしてはならず、英語の習得を最終目標にしなければならないと感じました。また、留学をすれば確実に世界が広がるともおっしゃっていました。このことから、留学をすることで多くのことを得ることができるのだなと感じました。そして、私は将来やりたいことが決まっているので、将来のために留学をし、英語を習得できるように頑張ろうと思いました。
インタビューアー:赤沼里沙子