インタビュー
音楽を通じて、世界の人々を幸せにするJICA職員
鎌田みどり氏
2016年8月31日 1,094ページビュー コスタリカ 大学院(修士)〔インタビューゲスト〕 鎌田みどりさん
「市民参加協力課 専属嘱託(復興支援)」「独立行政法人 国際協力機構 東北支部(JICA東北)」
大学→日本で中学の音楽教師→青年海外協力隊でジンバブエに行きボランティア→JICA 新潟デスクとして働く→コスタリカに大学院留学→仙台国際音楽コンクール事務局で働く→JICA 東北で働くといった様々な海外経験をお持ちの鎌田さんに海外での生活や国際問題に対する考え方を伺いました。
みんなが幸せと思える社会の実現
(信田)みんなが幸せに思える社会とはどういった世界だとお考えですか?
具体的にお聞きしたいです。 先進国の人も途上国の人も幸せと感じる社会ということですか?
先進国や発展途上国といった区切りをしないで、世界のみんながと言う意味です。日本にいる自分たちは貧困というわけではないと思います。でも現在日本には貧困の人がたくさんいるといった報道もあり、貧困に苦しむ人は身近います。私はマイノリティについて学んだのですが、マイノリティの人達は差別されており、差別の心はいじめにもつなが
るので、そういう心がなくなった状態により近づけることが幸せにつながるのではないかと思っています。差別、貧困、いじめ、暴力といった色んな要素がない状態が幸せだと考えます。しかしながらある程度恵まれている人たちはそういった要素がなくても、自分の考え方によって、精神をくずし入院することもあります。また最近私が思うのは、ものに頼る
ような物質主義的な生活をしていると幸せを感じられなくなるということです。一個の要素がクリアできたからと言って、みんなが幸せになれるわけではないと思います。それでも色んな角度から攻めていきながら、みんなが幸せと感じられるような世界の実現に向けて、難しいとは思うけれど、少なくとも取り組んでいきたいです。
(信田)海外に行こうと思ったときに親には反対されませんでしたか?
父親がすごく反対しました。大学卒業後、中学教師をしていて、親はそのまま教師を続けると思っていて、24歳の時アフリカに行きたいと言ったら驚かれましたね。母親にはずっと海外に行きたいと伝えていて、父親もその気持ちを知っていたのですが、やはり反対されました。父親はアフリカには原住民が頭に角を生やしていると言われたりしたのですが、12年前行ったことない人にはそういうイメージだったのかもしれません。ジンバブエは元々イギリス領で、独立した年も1980年くらいで、他のアフリカ諸国と比べて遅く、西洋風の建物があり、都会なところもありました。また協力隊が派遣されるところは、何か問題があるところではあるのですが、安全は確保されているところで、安全が確認されなかったらすぐ避難させます。だから知らない国にぽつんと一人でほっとかれるわけではないです。
(信田)最後に留学したい人に向けてメッセージをお願いします。
多様な考え方があると知るには海外で生活することが一番の早道です。自分の世界を広げるために、どんどん挑戦してください。
インタビューアーからのコメント
〇印象に残った言葉
・実際にその国に行ってみないと、本当の実情は見えてこない。
〇感想
鎌田さんのお話を聞いて、何事もチャレンジしてみることが大切だと思いました。実際、現地に行かないと分からないこともたくさんありますし、ニュースや噂などでは国の実情を知ることはできません。そしてそういった誤ったものの見方が、ほかの国に対する偏見を生み出すのかもしれません。そこで私は海外から日本に住んでいる人達に正しい情報を伝えられるような人になりたいと思います。私の夢はまだそこまで明確には決まっていないのですが、アナウンサーもあこがれている職業のひとつです。これからはもっと色んな経験をして、一人の人間として成長できるよう、何事にも挑戦をモットーに取り組んで行きたいです。その最初の取り組みとしてやはり留学という考えが私の中に浮かびました。いつもの自分が安心できる環境を出て、違う世界に飛び込んでみる勇気を持ちたいです。違う世界に出てみることで、また新たな観点から物事を考えることができるようになると思います。今回のインタビューを通して、よりいっそう留学について深く考えることができました。
インタビューアー:信田彩那 (東北大学 文学部 人文社会学科 1年)