インタビュー
大学のグローバル化を最前線で導く、生粋の東洋大学マン
高橋清隆氏
2015年8月3日 1,229ページビュー東洋大学出身であり、現在は国際部の職員として東洋大学をさまざまな角度からグローバル化へと導いている高橋清隆さんに、目標がみつかったきっかけについてお話を伺いました。
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Q 経済学部で日本経済史を専攻されていた学生時代、そのころから海外志向はあったのですか。
A 学生の頃、海外に留学するなんて想いは全くありませんでした。また、留学制度があるなんてみんな知らなかったですよ(笑)。初めての海外はカナダ。スキーをしにいきました。(スキーの話で盛り上がる)
就職についてですが、当時は今のようにサポートがまだ十分整備されていない中での就職活動でした。最初は実力主義の証券会社に行く予定でしたが、悩んで悩んだ結果、「世のため人のため」に働こうと考え、東洋大学に職員として就職しました。そして最初の配属先は、創立100周年記念事業事務局。式典や卒業生名簿の作成、図録の作成など、いろいろな記念事業やイベントの企画・運営の仕事に携わりました。その次に配属されたのが経理部です。しかし、そこでも現在のように海外を渡るんだというイメージはありませんでした。
そして今から4年前(2011年)に学長室に室長として着任しました。その頃から、東洋大学の国際化をどのように推進していくかが取り上げられるようになりましたね。国際化推進に関する会議体が作られ、自分も室長として出席し、提案していきました。例えば、学生の短期海外研修プログラムの企画(現在のGiFT海外研修 )、留学のための奨学金の創設(現在の海外留学促進奨学金)、学生の語学力の測定(現在のTOEIC SW試験)、成績評価の国際化(現在のGPA制度)など。でも、自分が海外に出張するようになったのは、実は2012年からで、50歳になってからなんです。
Q では、この3年で10か国以上の国に出張等で行かれていますが、何がきっかけでグローバル化に向けての思いが募っていったのでしょうか。
A 先ほどお話しした、国際化推進の会議で色々と提案してきたこともありますけど、強い印象を受けたのがフィピリンのセブ島、イギリス、サウジアラビアに行ったときのことですね。
まずフィリピンのセブ島では3週間、英語を学ぶために滞在しました。学生と一緒に行ったのですが、ある日、ゴミ山に行ったんです。そこでは子供から大人までがゴミとして捨てられたモノを拾い集めていました。ゴミで足を怪我している子供もいて破傷風になってしまうのではないかと心配でした。
しかし彼らは拾い集めていることに対する劣等感なんてなく、捨てられたモノをリサイクルしているのだから「地球の環境に貢献しているんだ」と誇らしげでした。また街中のあちこちで、子供たちが幼い兄弟の子守をしていて、どこか日本の昭和期にあった懐かしいものを見ている気分でした。清潔で物質にあふれている日本とセブで懸命に生きている人とを見比べた時、幸せってなんなのだろうと考えさせられましたね。同時に学生にもこの現実を見せたいし、海外でのコミニュケーションには英語ってものすごく大事だと改めて思ったので、セブで受けた良質で少人数制の英会話レッスンを東洋大学にもって行きたいという目標ができたのです。(それが今のアチーブイングリッシュです)
イギリスではヒースロー空港に到着したときがとても衝撃的でした。ロビーに本当に色々な人種がいるんです。人間の顔や体格ってこんなにも違うんだなと、とても面白かったですね。そしてホテルのラウンジで働く人々。彼らは生粋のイギリス人ではなく、みな他国からの出稼ぎでした。もちろんみんな英語が話せるわけで、ここでも英語ができれば色々なところで働くことができるなと実感しました。さらにサウジアラビアの医療系の大学を訪問した時のことです。そこにフィリピンのセブ島から来た女性達が看護師として働いていました。入国するのが難しいこの国で、まさかセブの方に会えるとは想像すらできなかったので、さらに英語の大切さを実感しました。これらの経験から、これからの時代は、学生の英会話能力を高めなければ絶対にダメだと思い、少人数制の英会話レッスンを東洋大学で必ず実現するぞ!、そして多くの学生に海外で様々な経験を得させるという気持ちが更に強くなっていったのです。
Q 最後に学生へメッセージや思いについていただきたいです。
A 自分は海外に行くたびに、英語による交渉がなかなかできず歯がゆい思いをしています。だからこそ学生のみなさんには、勉強をとことんしてほしいですね。英語の修得には時間がかかります。だから、諦めずにコツコツと毎日少しでもいいから続けて欲しい。そして、大学で学んだ事を英語で説明できるくらいのレベルになれば、オーバーかもしれませんが人生を大きく変えることができる能力の一つを身に付けたと言えるのではないでしょうか。また、東洋大学生ですから、「哲学すること」、つまり自分で考えて行動すること、これを国内外で実践してほしいですね。
ダイバーシティーは国籍、男女、年齢、健常者、非健常者が混じり合って生きていけるような世界で、本学もまだまだダイバーシティーが十分ではありません。グローバル化とは、このダイバーシティーを始め、制度や組織を絶えず進化させていく仕組み作りに他なりません。これからもこの仕組みづくりを通じて、東洋大学を更に発展させていきたいと思っています。
インタビュー実施日:2015/06/10


インタビューアーからのコメント
初めて自分の通う大学の職員の方とこんなにも深くお話をして、高橋さんのグローバル化に対する熱い思いが聞くことができ、とても嬉しいです。英会話の授業から海外研修と様々な事業を築き多方面から大学教育のグローバル化に取り組む姿が素敵で、自分の大学が誇らしくなりました。また10か国以上海外を訪れ、行く先々で小さなことにも気づく視点を持っている方だとインタビューを通して感じました。
様々な形で海外に行くことができることも知ることができたので、これからも哲学をしながら海外に目を向けて自分のキャリアを創っていきたいです。
インタビューアー:藤井 恵理菜