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Invitation to Study Abroad

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Inter-generational Knowledge Transfer

インタビュー

地球市民として、自分の中の「核」を見つけよう

角掛 由加里氏

2015年7月27日  745ページビュー
1年以上   アメリカ合衆国   大学  

大学3年秋~4年秋までの1年間、アメリカのワシントン州へ交換留学し、現地でのインターンシップも経験された角掛由加里さんに、お話を聞きました。

交換留学をしようと思ったきっかけはありますか?

小さい頃父親の仕事の関係でアメリカで暮らしていました。言語の獲得期だったこと、現地の学校に通っていたことで、自然と英語は身に付きました。帰国後も両親が英語のスクールへ通わせてくれて、常に英語を学べる環境にいたんです。でも、部活あったし、高校生のころまでは留学は考えていませんでした。
実は大学受験に失敗してしまって。悔しくて、大学で何か巻き返したい、と思いついたのが「得意な英語」だったんです。英語は得意だったけど、自分にはSpeaking力が足りなかったので、大学1年で英語のディベートサークルに入りました。さらに1年目の終わりごろ、「このまま4年過ごすのではなく、何かやったぞってものを成し遂げたい」と留学を考え始めました。
そんな矢先、大学時代に留学しなかった兄から「守られた環境で生きてないで、海外に出て荒波に揉まれてこい!」って言われたんです。その言葉で火が点きました。そして、まずは大学2年の夏に3週間カナダのサマースクールに通って、自分の英語が通じる喜びを味わって、さらに勉強して、大学2年の秋に学内選抜を通って、1年後の交換留学を決めました。
英語に触れる機会をくれた家族、背中を押してくれた兄には感謝したいですね。

留学でいちばんの思い出はなんですか?

 留学先の大学ではたくさんのことを学びました。でも実は通学期間は9ヶ月で、残りの3ヶ月は現地でインターンシップをしてきたんです。
 学期終了後すぐに帰国するかを姉に相談すると、「帰国して周りと同じようにインターンシップに参加するよりは、人と違う過ごし方をしてみたら?」とアドバイスされました。「たしかに、せっかく海外にいるのだから、現地で何か成し遂げてから帰ろう!」と決意し、自分でStudent Visaを延長しました。
 インターンシップの内容は、「韓国の姉妹都市から来た小学生のための文化交流イベントの企画・実行」でした。自分以外は全員アメリカの学生たち。少しでも認めてもらうために、地味な作業を積極的にやるなど前に出ました。
 自分の存在は韓国の先生方に特に安心感を与えたみたいで(笑)。英語があまり得意ではない韓国の先生方から感じ取ったニュアンスを通訳してあげたことはとても感謝されて、同じアジア同士通じるものもあるのかなと嬉しくなりました。
インターンシップを通して実際に海外で働けるかどうかの確信や、様々な国の人と働くための自信を持てたと思います。海外で働く憧れにも自信がつきました。

留学時、困ったことや驚いたことはありましたか?

 これは大学4年で「世界青年の船」に乗った時のことなのですが…
 船上で、宗教の関係上豚肉を食べない友達ができました。ある日、船中の売店でチキンのカップ麺を(豚肉が入っていないことを確認して)買って、いざ食べ始めたとき… 友達が、ものすごい顔をして食べるのを嫌がり始めたんです。どうしたのかと思ったら、なんと豚肉が入っているとのこと。確認したら、豚肉のエキスが入っていました。これだけでもだめなのか!ととても驚いたけど、宗教はもちろん、その人の事情は最大限に気遣ってあげたいなと思いましたね。
世界青年の船は、本当に多くの人に薦めたい!(笑) 5大陸から集まった外国青年たち・47都道府県から集まった日本青年たちと船内で共同生活をしながら、テーマごとのディスカッションや文化交流を通して切磋琢磨し相互理解を深める、内閣府の事業なんです。
研修時間以外はフリーで、いろんなイベントを自分たちで作っていました。私と友達が主導したイベントは「天然のプラネタリウム」で、星について英訳したものを解説しながら、船上から天体観測をしました。太平洋上で光ひとつない中見る星は本当に“降ってくる”みたいでした。今でも友達と、「よかったよね~」と話題になります。
私の今の価値観を確立できたのは、留学ももちろんだけど、船の影響も大きいです。

今後留学する人に向けてアドバイスをお願いします!

 とにかく日本から出ることで学ぶこと、感じることがいっぱいあるはずだから、留学した人ほど人生の満足度は高いと思います。英語はあくまでもツールのひとつ。就職活動や今後の人生などでも周りに流されないことが大事だと思うから、留学して世界の価値観を知って、自分の中で「核」をしっかり突き詰めてほしいと思います。
留学したら、ぜひ積極的に行動してほしい。アメリカの語学学校などは、ヨーロッパからの留学生も多くて地域ごとでグループを作ってしまうことがあるけど、それを横目で見ずに自分から関わっていくべきです。決して自分が仲間外れにされているわけじゃないからね(笑)
 あと、カメラの容量はたーっぷり用意していくこと!

インタビュー実施日:2015/06/03

インタビューアーからのコメント

留学、青年の船についていきいきと楽しく話してくださいました。留学中にかかわらず、学生時代から常に向上心を忘れず日々を充実させていたことが伺えました。私も、もう一度自分の大学生活を見直し、今後後悔なく過ごしていきたいです。
話を就職活動に絡めてくださる場面もあり、「自分の強み、核を持っていることはとても重要だけど、それが当たり前のところにいくと、埋もれてしまう。」という実体験も聞き、参考になりました。この記事に書いたこと以外にもたくさんお話を聞かせてくださり、また私の言葉も受け止めてくださって、課題ではあるけど有意義な時間を過ごせました。ありがとうございました!

インタビューアー:安藤 光希
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