インタビュー
全国にグローバル教育を推進 今に繋がるきっかけとは?
木村 大輔氏
2015年7月27日 328ページビュー 1年以上 6カ月以上 イギリス オーストラリア 大学 大学院(修士) 大学院(博士)●(一社)グローバル教育推進プロジェクト グローバル教育プロデューサー/青森中央学院大学地域マネジメント研究所客員研究員
2014年 ユネスコ「持続可能な開発のための教育」世界会議ユースコンファレンス ファシリテーター
(一社)グローバル教育推進プロジェクト グローバル教育プロデューサー、ユネスコ「持続可能な開発のための教育」世界会議ユースコンファレンス」ファシリテーターに選出されたり多くの国際事業に携わったりと世界で活躍している木村大輔さん。
現在はグローバル教育の浸透に従事しているのですが実は学生時代は海外には全く興味がなかったとか。
そんな木村さんが変化したきっかけのお話を伺いました。
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Q:学生時代までは体操が好きで学校の先生になるのが目標だったのがなぜ海外へ留学したのですか?
A:学生のとき、ずっと関わっていたかった体操競技に挫折してしまい、怠けた時期がありました。そのときに「なにか新しいことをやろう」ということで始めたものの一つが英語だったのです。当時のTOEICは440点。そしてアメリカのプロレスが好きで、本場を体験するためにカナダへ行ったのが留学のきっかけです。10日間だけだったのですが、このとき「This one, please」と言えばなんとか通じると自信がついたことがその後の学習を後押ししてくれました(笑)
その後、内閣府の「世界青年の船」事業に参加しました。そこで衝撃的なことをたくさん知りました。例えばインド。路上の物乞いの人々はみすぼらしく見せることで収入が増えると思い、親が子の手足をわざと切ったり、子供たちが人身売買で利用され路上に出ていることなどです。またタンザニアでHIV患者とも対談した時に、自分の無知さを知りました。自分は今まで恵まれた環境でくよくよ悩んでいたことを痛感し、この現実に向けて何かできないかと考えました。そして開発援助等についてしっかり学ぼうと決めました。
仕事をしながら留学準備をし、オーストラリア国立大学大学院、オックスフォード大学院に入り、将来のリーダー候補、国籍を持てない環境の人等様々なバックグランドを持つ人たちとハードな勉強をして修了しました。一生で最も勉強した時だったと思います。
Q:留学をするにつれてやりたい事を明確にした木村さん。現在は日本でも私たち学生に向けて活動をしているのはなぜですか?
A:オックスフォード大学留学時代に「日本の地方都市を含む、機会に恵まれていない若者により多くの機会を提供したい」という、精神的な軸を持ちました。ノブレス・オブリージュ(意訳:機会に恵まれた者の義務)という概念が大学に浸透していたのが影響です。また、ある方から言われた「自分を育ててくれた地元に何の貢献をしているか?」という言葉も心に残りました。それから地元に戻り、公務員となり、内側から組織に働きかける活動をしていましたが、全国レベルで人の可能性を増やす仕事、国の教育変革に関わっていきたいと思い、再び東京に戻ってきました。
学生には何かに一生懸命取り組むこと、広い視野を持って積極的に学ぼうとすること、身につけようという気持ちを大切にして欲しいと思っています。スポーツや芸術以外は何歳からでも努力すれば成長できると思うので。そして仕事の上でもいかに社会を意識し自分の頭で考えて仕事に向かうか、身近なところでは新聞を毎日読むとか日々の積み重ねが重要だと思います。
インタビュー実施日:2015/05/29
インタビューアーからのコメント
インタビューをして特に印象に残ったキーワードは「中途半端はいけない。修行僧のように勉強」でした。実は木村さんは私が今目指している職業を経験された方です。とてもローカルな職業なのですが、その話をした際に、「内側から変えていきたい」という、留学経験をしたからこその木村さんの考え方や、その後のキャリアが私にとって衝撃的でした。また勉強すること自体ではなく、木村さんのように本当の一生懸命な姿勢で目標に向かって目指す心をこれから大切にして学んでいきたいと感じました。
インタビューアー:藤井 恵理菜