インタビュー
人と人とをつなぐウェブディレクター
阿部 意子氏
2015年7月19日 609ページビュー 3カ月以上 アメリカ合衆国 大学18歳の時に3か月間アメリカのワシントン州スカジットバレーカレッジに留学していた、阿部意子さん。現在、ウェブディレクターとしてご活躍されており、18歳のときの海外経験にとても良い影響を受けている、とお話してくださいました。そんな阿部さんに、人と人とをつなぐ、コミュニケーションの大切さについてお話をお伺いしました。
(学生)–教会の日曜学校で、高校生に日本の宗教観について講義をしたということですが、どのような講義をしたのですか?
ホームステイ先が一人暮らしのおばあさんであり、その方は敬虔なクリスチャンでした。そのため、毎週教会の日曜学校に通っていました。そんなある日、その教会の牧師さんから、高校生のクラスで日本人の宗教観について終えてほしい、と頼まれました。しかし、留学前に日本での大学の教授に、宗教と政治の話はNG、と言われていました。宗教や政治の面でお互いを認め合うことは非常の難しいことであるし、争いが起こりやすい、さらに現地の言葉、英語で完全に伝えることは容易ではないからです。このことを大学のアメリカ人コーディネーターに相談すると意外な答えが返ってきました。いいよ、大丈夫!ぜひやってみなよ!と。
舌や鼻にピアスを開けた、自分よりも大人にみえる高校生に緊張しながらも、日本の宗教観についての講義をはじめました。日本の宗教の成り立ち、日本には八百万の神がいて神様は一人ではない、すべてのものに神が宿っている、仏教の話などをしました。なぜこんなに話せたかというと、祖母はローソク屋を営んでおり、その祖母から色々な神様のはなし、日本昔話のようなものを様々聞いていたからです。仏教の話などは、手塚治虫の「ブッダ」を読んでいたのでだいたい知っていました。
意外なことに、高校生たちはとても真剣に聞いてくれました。日本の宗教観など信じられなく、話にならないだろうと思っていました。しかし、彼らは一度日本の宗教観を受け入れて聞いてくれました。そのことにとても驚きました。
(学生)–その時の体験のどのようなことが現在のの職業、そして人生観につながりましたか?
宗教や政治の話はやめておけ、そういわれたのに現実では求められた、とても驚いたけれど自分の知っている不慣れな英語で一生懸命に伝えた。今でもあの時はよくやったと思ってます。なぜできたのかと思い返すと、自分も一生懸命だったが、それと同じくらい高校生たちや牧師さんも真剣に聞いてくれた、このことから、言語だけでなく、価値観が違う人々も、お互いの考えを一度受け止めて、受け入れることで分かり合えるというコミュニケーションの基本を知りました。
現在、ウェブディレクターとして、経営者と技術者の間に入って良いサービスを作るために奮闘していますが、そこで大切なことが双方の意見をつなげ、良いものを創りあげてゆく、コミュニケーションです。つなげる、という仕事をする際に18歳の時の海外体験は大いに役立っております。
インタビュー実施日:2015/06/07
インタビューアーからのコメント
この仕事に限らず、コミュニケーションをしっかりと行い、人と人とがつながっていくことが大切、自分が一生懸命に伝えようとすれば、相手も真剣になってくれるのだと学びました。私も留学をしたいと思っているので、阿部さんのように何かを学んで帰ってきたいです。
今回のインタビューで、異文化理解について考えました。自分が他国の宗教を受け入れろ、と言われても正直受け入れられるかわかりません。しかし、阿部さんのような経験は本当に貴重だと思ったし、僕もそのような経験をしてみたいと思い、留学への興味がいっそうわきました。
インタビューアー:大澤 燎野