留学のすすめ.jp

Invitation to Study Abroad

Disseminating the Impact of Study Abroad
Inter-generational Knowledge Transfer

インタビュー

国内外の地域へ行って、自分の五感をフル活用しましょう!

井口育紀氏

2018年2月20日  184ページビュー
6カ月以上   その他   タイ  

「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」

高校時代、何をやったと言われたら部活!といえるくらい部活に打ち込んでいました。当時の夢は箱根駅伝に出ることでした。ただ、高校3年でケガをしたことで、推薦に引っかかりませんでした。部活に打ち込んでいた私はあまり勉強もせず、大学受験に失敗。浪人することになりました。浪人時代に、たまたまテレビを見ていたら、某英会話学校のCMに興味をひかれました。そのCMは『英語を喋れたら1億人と友達になれる!』。このフレーズに心を惹かれた私は、大学時代は国際関係の学部に入って、海外に行き、世界中の人達と友達になるんだと、意を決し、東洋大学国際地域学部に入学しました。当時のキャンパスは板倉キャンパス。学校の周りには何もなく、何もないなら創ってしまえ!ということでサークルを立ち上げ、新歓コンパなどを自ら企画し、大学生活を楽しんでいました。ある時、なぜこの大学に入ったのか?と思い、当初の想いを思い出し、大学2年次の夏に大学のプログラムで1ヶ月間のオーストラリアの語学留学に出かけました。そこで、海外に出ることの魅力を実感し、翌年も海外に行きたい!と思っていた時に、友人がNICEのプログラムに参加していました。よく聞いてみると、いろいろな国のメンバーたちと共同生活をしながら、地域に対してボランティア活動を行うプログラムということで魅力を感じ、大学3年次の夏休みにタイの国際ワークキャンプに参加しました。そこでの経験で、タイの人達からとても感動した出来事(授業でも喋った飯でも食っていけ~の件)を忘れることができず、就活を控えていたけれど、やりたいことは就活ではなく、タイの人達への恩返しがしたい!という想いが強かった。それなので、タイの人達に何かできることがあればと思い、大学を休学して、タイで中長期ボランティアに参加しました。

 
「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」

資金稼ぎかな…
休学することを決めてから、コンビニで深夜から午前中までアルバイトをする日々。
なかなか大変でした。何のために働いているのか?を自問自答しながらモチベーションを保っていました。あと、某ゼミの先生にお世話になっていたのですが、長期のボランティアや国際ワークキャンプをしに休学をして海外に行くことを相談しにいったら、「国際ワークキャンプね。所詮、観光に毛の生えたようなものだからね~」と、自分が休学をしようと決意した国際ワークキャンプを馬鹿にされたことに腹が立ち、すぐにそのゼミを辞めました。その後、1年時にお世話になった某先生(背中を後押ししてくれる先生)にお世話になりました。応援してくれる、背中を押してくれる先生を見つけましょう!(笑)

 
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」

始めの2ヶ月間は日本人5人とタイ人4人による2ヶ月間のボランティアでした。私はリーダーとして参加していましたが、英語も得意ではなく、英語を使ってメンバーをまとめていくことがとても難しかったです。また、リーダーという責務のプレッシャーも感じ、自分が頑張らないと!とひとり気負っていました。タイ人側のリーダーともぶつかったりして、思うようにリーダーシップが発揮できず、苦しんでいる中、NICEの職員さんが訪問にやってきました。様々な話をしていく中で頭が整理され、1人で全部やるのではなく、仲間に頼ることを諭されて、いろいろ役割を振っていきました。そうすることで私のやることも減って楽になったのと、他のメンバーも責任を持ち、よりプログラムに対してのモチベーションアップにつながりました。仲間に頼ること、リーダーが全部するのではなく、メンバーも巻き込んでいくことで、メンバーのやる気を引き出すことを学びました。

 
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?」

 私は浪人し、さらに休学をしたことで一般の人よりも2年遅れてしまうことになりましたが、2年遅れることが不安でした。でも実際は2年など大した期間ではなく、その後就職した時も同期のメンバーは2歳下が多かったですが、そんな人間関係は全く問題なく、就活自体も特に大きな問題はなかったです。休学をすることで1年遅れることで一歩踏み出さないのはもったいないです。

 
「留学で得たものは何ですか?」

 これはたくさんありますね。
老若男女、国籍を問わずたくさんの人達に出会い、かけがえのない友人がたくさんできました。
ステレオタイプではない物の見方、考え方。自分自身について。宗教観。地域に溶け込む方法。日本を客観的に見たこと。自分は日本人だということ。タイも好きだけど日本が好きだということ。英語など喋れなくても何とかなる。子ども達からタイ語を教えてもらうこと、自分でも勉強していくと少なくともタイ語は喋れるようになること。自信・行動力。社会に対して主体的な想い。ユーモア力。生き物みな兄弟の精神。語学力など、他にも挙げたらきりがないです。

 
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」

 社会に対して主体的な想いが、将来自分は何を軸に生きていくかを決めました。タイへ長期のボランティアで行きました。ボランティアは社会に対して主体的な行動です。8ヶ月間、タイでボランティア活動に従事していたから、そういった主体的な想いが生まれました。これはきっとただの語学留学、交換留学では得られなかったことでしょう。そして、上から目線ではなく、地域の人達と同じ目線で生活していくことで見えてきたリアルな経験と現実。長期(個人的には少なくとも半年以上)は日本から離れることで、日本を客観的に見ることができました。日本は良い国だけど色々な問題がある。そういった問題を解決し、日本を良くしていくこと。これを私は一生かけてやっていきたいと思いました。これが軸となって、大学卒業後は、大阪のあいりん地区で企業によるホームレス支援の仕事をしました(ホームレス問題の解決に取り組む)。その仕事はホームレスの方々を路上から畳の上に上げる仕事をしていたのですが、あくまでそれは対処法でしかなく、根本的な解決をしたい。そう思って働いていました。その仕事をしながら、NICEにもボランティアという形で運営のお手伝いをさせてもらっていたのですが、こういった国際ボランティアに参加し、海外の若者達と共同生活した人達は、夢をもっていたり、世の中をこうしたい!という社会に対しての想いを持っている人が多かったです。英語が苦手でも何とかコミュニケーションしようとする若者や、海外でトラブルに合いながらも無事帰国し、そういった経験を今後の人生に活かしていこう!というポジティブな捉え方は、マイナスなホームレスの人達と、私の中ではつながって、国際ボランティアに参加して、そういった経験をもった人が増えていくと、世の中が良くなる!日本が良くなる!ホームレス問題もなくなる!そんな風に思いました。そんな中、NICEで私が参加した中長期ボランティア事業で職員募集しているけど、どう?と声がかかり、給与は安くなるけど、自分のやりたいことができると思い、NICEに転職しました。今NICEでは中長期ボランティアの国内担当をしていて、海外から日本で長期間ボランティアしたいという人の受け入れと、国内で中長期ボランティアを受け入れたいというNPOや有志団体の人達をつなぐ役割を担っています。色々な国のボランティアが、日本の山村地域にやってきて、長くて3ヶ月くらいの滞在になりますが、次から次へと色々なボランティアが地域に入る仕組みになっており、社会問題、過疎問題に一躍買っていると思います。外国人ボランティアによる郷づくりを今後も進めていきたいです。また、ぼらいやーという1年間世界を旅しながら色々な場所で国際ボランティアに参加するプログラムも担当しており、旅×国際ボランティア、日本版ギャップイヤーを創っていきたいと思っています。

 
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」

 単に語学留学や交換留学に行くよりも、長期ボランティアで国内外に行く方がたくさんのことを学べます。先生というものをあえて選ぶとしたら、地域の方々が先生です。学校では学ぶことのできないリアルな経験。自分の五感をフル活用することが何より大事だし、そういったことができるのが長期のボランティアです。自分の目でその土地で行われていることを見て、自分の鼻でその土地の風土、においを嗅ぐ。自分の口でその土地の言葉を喋り、物を食べる。自分の耳でその土地で喋られている言葉や音を聞く。自分の肌・手・足で地域の人と触れ合う(ハイタッチしたり、一緒にサッカーしたり、ボランティア作業する)こと。今はインターネットですぐに何でも情報が手に入る世の中だからこそ、自分で実際に現地に行って自分の五感で感じることが大事です。インターンシップなどでも学べない、その土地の文化や風習を尊重しながら、同じ目線で、色々な国の人達と一緒にやっていく力。今まさに求められていることだと思いますよ。さあ、学生の皆さん、国内外の地域へ行って、自分の五感をフル活用しましょう!!

インタビュー実施日:2017/07/18

インタビューアーからのコメント

「印象に残った言葉」
―今はインターネットですぐに何でも情報が手に入る世の中だからこそ、自分で実際に現地に行って自分の五感で感じることが大事です。―

井口さんの他にも、誰しもが口を揃えて言う言葉だからこそ、改めて印象に残りました。海外に行く際に現地のことを調べ、情報収集することはいいことです。しかし、その情報だけで海外に一歩踏み出すことを諦めてしまうことは、もったいないと思いました。実際に海外に行くことでその国の印象を変えることができると思います。(メリット、デメリットを含む)またもしかしたら、自分を変えるチャンスやきっかけにつながっていたかもしれませんね。

―単に語学留学や交換留学に行くよりも、長期ボランティアで国内外に行く方がたくさんのことを学べます。―

 今の時代は日本にいても英語をマスターできます。そんな中で語学留学に行く意義は何だろう。今回井口さんにインタビュー協力をお願いさせていただいた影響で、語学留学や交換留学に行くことより、海外ボランティアに参加したいと感じました。それはたくさんの現地の方と関わる機会があり、身近に生活や文化にふれることができるからです。またボランティア精神を向上できるためです。もし語学留学や交換留学に行く人がいるなら、海外ボランティアを追加で行うことをおすすめしたいと思います。


「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと」
 
私はある講義で井口さんの講演を聞く機会がありました。その際は井口さんの経験談をメインに聞くことが出来なったため、今回は詳しく聞くことができてとてもよかったです。井口さんのお話の中で人とのご縁や気持ちの変化について印象が残りました。ワークキャンプ先で出会った人達、優しいタイ人、背中を押してくれる先生、ホームレス支援の仕事で携わった方などのおかげで今の井口さんが存在しているのではないかと思いました。また井口さんが本当にやりたかったことが、今の仕事につながったこともご縁のおかげだと思いました。私は将来、日本と海外に関連する仕事に就きたいと考えています。そのため、私も海外ボランティアに参加することで、就職に関する考え方を変えられるのではないかと感じました。他には、井口さんが入学当初に抱いていた思いを実現したことにより、ワークキャンプ時のリーダーとしての悩み、就活に対する不安などの気持ちは生まれたと思いました。井口さんの前向きでやりたいことをやる気持ち。これらをもって挑戦をすれば何も怖くないと思います。私も大学生活のうちに海外に行くことで、視野を広げ、たくさんの人と出会いうことでご縁をつなげていきたいです。

インタビューアー:安田 万里江 (東洋大学)