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Invitation to Study Abroad

Disseminating the Impact of Study Abroad
Inter-generational Knowledge Transfer

インタビュー

途上国の現状を伝えたい

辻 貴行氏

2017年10月20日  895ページビュー
その他   ブラジル  

【インタビューゲスト】
辻 貴行 様
大学在学中の部活動をきっかけに海外に興味を持つようになり、様々な海外経験を持つ辻貴行様にお話を伺いました。現在、辻様は独立行政法人国際協力機構JICA東北支部で、草の根技術協力事業を担当しており、地方自治体やNGO団体が発展途上国で事業を展開する際の支援などを行っていらっしゃいます。
 

――辻様の過去の海外経験について教えてください。
私は大学に入学するまで海外経験は一切ありませんでした。しかし、大学では外国を旅したり、調査したりする「探検部」という部活に所属したことで何度か海外へ行くようになりました。例えば、モンゴルを自転車で縦断しようとモンゴルへ出かけたり、ソロモン諸島で戦跡調査をしたりしました。
 
――大学卒業後はどのような進路へ進みましたか。
学生時代の海外経験から海外で働くのも面白いかもと思うようになりました。そして、卒業後はNGOでマングローブの植林事業に携わりました。ベトナムやミャンマーへ行った後、エクアドルを中心として、そこでは約8年間活動しました。その後ブラジルへ行ったのですが、そこで現地の人から大学院への進学を勧められ、34歳でブラジルの大学院へ入りました。大学院では、様々な種のマングローブの成長量を比較する研究などをして、修士号を取りました。その後、現在の職に就きました。
 
――様々な国で活動しているようですが、現地の人とのコミュニケーションはどのようにしていましたか。
英語については大学受験のための勉強とラジオでの英語講座を聴くことくらいでした。しかし、大学1年で初めて海外に行き、英語の必要性を感じるようになってからは勉強するようになりましたし、仕事をするようになってからはさらに勉強しました。また、東南アジアでは主に英語を使ってコミュニケーションをとりましたが、南米ではスペイン語とポルトガル語が主でした。語学学校にも行きましたが、ほとんど現地で0からの勉強でした。現地に日本人が一人だけという、どうしても話さなければいけない状況だったので3、4カ月もすれば身についていました。最初のほうは通訳の方がついていてくれましたが、すぐに自分だけでコミュニケーションが取れるようになりました。
 
――海外で起こった大変な出来事はどのようなことがありましたか。
私は発展途上国ばかりに行っていたのですが、途上国はやはり自然は豊かでも、食糧や生活用品など多くのものが不足していました。例えば、私が体調を崩して入院した時、十分な処置を受けることができませんでした。医療設備も整っていないということです。そこで支援というものの必要性を感じました。世界にはお菓子も食べられないような人がたくさんいて、暮らしという面で、そういった人間の基本的人権の問題解決を目指しています。そのためにも、自分の経験や途上国の現状について若い世代をはじめ多くの人に伝えたいと考えています。

インタビューアーからのコメント

辻様は途上国で多くの経験をなさっている方でした。欧米など、生活環境が整い、学問も進んだ国への留学も魅力的ではあるかもしれませんが、途上国での生活を直に感じ、そこから得るものも多くあるということを感じました。また、大学を卒業してからチャンスが巡ってきたという辻様のお話を聞き、「留学」と一言に言っても様々な選択肢があることを改めて実感しました。自分の目的を考え、自分に合った留学先、留学のスタイルを見つけたいと思いました。

インタビューアー:鈴木日向子(東北大学文学部人文社会学科1年)
留学は自分の人生観、キャリア観が大きく変わる貴重な経験です。
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