留学のすすめ.jp

Invitation to Study Abroad

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Inter-generational Knowledge Transfer

インタビュー

”開き直り”から生まれたチャレンジ

山口有子氏

2017年2月6日  68ページビュー
1年以上   アメリカ合衆国   高校  

インタビューゲスト:山口有子さん(宮城県泉高等学校英語担当教諭)
私の高校3年間の担任でもあり、部活動の顧問でもあった山口有子さんは多くの留学経験があり、今回の機会に是非詳しいお話を伺いたいと思い、2016年6月16日にテレビ電話を使用してインタビューさせていただきました。

―― いつ、どこへ、どれくらいの期間留学されていたのでしょうか?
中学校1年生の夏休みに3週間アメリカ
高校2年生の夏から高校3年生の春までの約1年間アメリカケンタッキー州(ホームステイ)
大学3年生の夏から大学4年生の春まで約1年間アメリカペンシルベニア州(寮生活)
※今回のインタビューは高校時の留学のお話が中心です。

―― 留学に至った経緯を教えてください。
中学1年生の時に、地元の同年代の子供たちが参加するサマーキャンプに参加し留学経験者の話を聞いたり、同じように留学に興味を持つ同世代の人たちと交流したりしたことから刺激を受け、高校生のうちに長期留学がしたいという気持ちが生まれた。その頃は日本で留学先の成績で単位が認定されるというシステムが登場し始めた時期であり、このシステムを他校に先駆けて導入していたのが仙台育英高校であった。高校で留学をするということを踏まえ、受験高校を決定。仙台育英高校へ進学。そして留学するための試験を経てアメリカへ留学した。

―― 留学に行く前に不安に思っていたことはありますか?またそれが留学に行ってみて実際はどうでしたか?
不安はあまりなかった。ホームシックもなかった。ホストファミリーが暖かく迎え入れてくれた。特に、ホストマザーがとてもかわいがってくれた。
しかし、英語はわからないことが多かった。ケンタッキー州のなまりが独特で、特にホストファザーの言っていることを理解すること、会話をすることを難しく感じた。
勉強してきた英語が使えないと感じることもあった。時間が経ち慣れてきて、始めよりも理解できるようになってもジョークや言い回しは最後まで(今でも)理解できなかった。

―― 対人関係において気をつけていたことはありますか?
アメリカの高校は日本のようにクラスがなく、授業ごとにメンバーが変わるため固定の友達を作るのが難しかった。しかしお昼の時間になると現地の生徒たちは友達とカフェテリアでご飯を食べる。この状況から自分から人とたくさん関わっていくことを気をつけていた。

―― 留学で得たものは何ですか?
やはり実際に留学してみると英語がわからない状況があり、言葉の壁を感じることもある。言葉の壁を感じたからには「できる生徒」でいようとすることが難しかった。そこでむしろ自分は「できない生徒」であると自分自身で開き直って過ごすようになってから、心の負担が減り、失敗しても大丈夫と考えられるようになり以前よりもよりたくさんのことにチャレンジできるようになった。
価値観の変化も感じられ、「絶対にコレ」というものはすくないとかんがえられるようになった。帰国後家族にも価値観が広がったと言われた。

―― 留学経験が今の先生のキャリアにどう生かされているのでしょうか?
高校生の時は通訳になりたいと思っていた。しかし大学で疑似体験的な通訳の授業を受講し、自己顕示を全くせずに黒子として他人の言葉を他人に伝えるという通訳の仕事に違和感を覚えた。英語を自己表現のツールとして利用したいという気持ち、人が好きという気持ちから高校教師を目指すことにした。大学院に進学後、教職をとり、教員採用試験に合格し、高校教師になった。教員採用試験の際も、ほかの受験者よりも英語の成績が良かったため、ここでも留学の経験が生かされていると感じた。現在は留学経験を生かしつつ多くの高校生に英語を教えている。

―― 今後留学をする日本の学生へ、一番大切だと思うことはなんですか?
人生は一度しかない(You live a life once)。高校留学は高校生であるうちしかできないし、大学留学は大学生であるうちにしかできない。チャレンジすることが大切である。そこから得られるものは大きい。

インタビュー実施日:2016/06/16

インタビューアーからのコメント

今回初めてここまで先生の留学体験を伺うことができました。1番心に残ったのは、「できない生徒」であると開き直ったというお話です。留学時だけではなく、日本での生活においても私自身も変なプライドや責任感を感じてしまい、失敗を恐れてなかなかチャレンジすることができないということがあるのですが、自分の考え方が一つ変わるだけでこんなにも状況やチャレンジする気持ちが変化し実践に移すことができるのかと驚きました。このように貴重なお話を伺うことができて良かったです。

インタビューアー:藤澤ひなた(東洋大学1年), 山本美咲(東洋大学1年)