留学のすすめ.jp

Invitation to Study Abroad

Disseminating the Impact of Study Abroad
Inter-generational Knowledge Transfer

インタビュー

多様な価値観を認めあえる社会を目指して

松岡輝昌氏

2016年11月11日  63ページビュー
1年以上   イギリス   大学院(修士)  

【インタビューゲスト】松岡輝昌さん(茨城県保健福祉部長)
イギリスのスコットランドにあるアバディーン大学院への32歳の時の留学を経て、現在は茨城県保健福祉部で活躍していらっしゃる松岡さんにお話を伺いました。
 
・なぜ留学したのですか
ずっと留学をしてみたかったからです。奨学金をもらえることになったのでいい機会だと思い、一年間イギリスのアバディーン大学院に留学しました。
 
・留学して驚いたことはありますか
先生と生徒の距離が遠い事に驚きました。日本の学校と比べ先生が帰るのがとても早く、教員室を訪れてもすでに真っ暗、ということも少なくありませんでした。そのため自分で勉強をしっかり進めていかないといけませんでした。また、学校にはイギリス人が少なく、 半分くらいがEU各国、アジア、アフリカの人達という環境で、日本の大学とは比べ物にならない位国際的でした。
 
・留学中印象的だったことはなんですか
私はヘルスサイエンスの研究をしていたのですが、その研究の課題の中で、他言語(英語が第二外国語)の人達にインタビューするというものがありました。インタビューはその人たちの母国語で行います。もともとの英語の質問文を他の言語に翻訳してインタビューするので、その内容が英語と同じ意味合いで伝わっているか、返ってきた反応をみて確かめなくてはいけません。例えば、「どれ位痛いですか」という単純な質問にしても、イタリア人とイギリス人では痛みの感じ方の尺度が違うため、解答が変わってきます。イタリア人は痛みを我慢するという文化的特徴があるため、同じくらいの痛みを感じていても表現の仕方が他の国の人とは違うのです。私のしていた研究というのはその文化的背景からくる言葉の意味の違いを確かめるというものです。50人以上の人達に約15ヶ国語でインタビューしていく中で言語のバリアを身をもって体験しました。
  また、第二次世界大戦を経験した年齢層の人達の中には、その経験から日本人に対して良くない感情をもっている人もいます。私は留学中にそういった経験をした人に出会い、私が日本人でありながら日英関係についてよく分かっていないことに対して怒りをぶつけられました。歴史を知らないと痛い目に合いますし、知らないという事は失礼なことにもなります。第一次世界大戦の戦死者追悼のためイギリスでは毎年2週間募金活動を行います。イギリス中のほとんどの人達がこの週間、募金と引き換えにもらえる赤いポピーの花を胸にさして、なんとなく悲しげな顔で歩いています。もし、なぜポピーを胸にさしているのか知らずに、私だけ楽しそうに町を歩いていたらイギリスの人達に対しても、大戦で亡くなった人達にも大変失礼なことになるでしょう。歴史を知ることはその国に対しての礼儀だと思いました。
 
・留学したことは今のキャリアに結びついていますか
直接的には結びついていません。ですが、留学をしたことで色々なことを知れたし、視野が広がり、自分と考え方が違う人に出会っても、「そんな考えもあるんだー」というくらいの気持ちでいることができるようになりました。もちろん英語のスキルもあがり、英語の文章を読むのも苦ではありません。そういった意味で今の自分につながっていると思います。
 
・なにかアドバイスはありますか
留学するならその国の歴史を知っておくべきだと思います。また、日本についてちゃんと知っておくこともすごく大切です。海外に行くと日本についてたくさん聞かれます。自分の国のことくらいは説明できるように、政治、経済、文化や日本のおすすめなど、英語で練習していくのがいいと思います。剣道などの日本のスポーツができたり、浴衣を着られるなど、なにか一芸を持っているといいですね。

インタビュー実施日:2016/07/21

インタビューアーからのコメント

留学する時、自分が日本人として海外の人に日本の事をしっかり発信できるよう、英語の勉強はもちろん、日本のことを説明できるようにしておきたいです。また松岡さんがイギリスでしていた研究は私にとって、とても新鮮で興味が持てました。言語が違えばものの認識の仕方も変わってくるというのはその通りなのだと思います。
 私も実際に海外に行って自分で日本とのギャップを知り、色々な国の色々な考えを持った人達と出会いと強く思いました。

インタビューアー:北村千幸 (東洋大学社会学部社会文化システム学科3年)