留学のすすめ.jp

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インタビュー

多様性を知り、世界が広がった留学

伊藤千尋氏

2016年8月31日  109ページビュー
1年以上   アメリカ合衆国   大学  

大学3年時にアメリカ・ワシントン大学へ交換留学をされ、現在は東京のコンサルティング会社に勤務しておられる伊藤千尋さんにお話を伺いました。

なぜ留学しようと思ったのですか

ずっとアメリカに行きたいと思っていたからです。子供のころアメリカ人の友達がいて、アメリカに憧れていました。理由は本当に、それくらいです(笑)

どんな留学をされたのですか

一年間の留学で、初めての海外でした。大学では国際関係論を主に学びました。またGender, Women and Sexuality Studies(GWSS)というものも学びました。GWSSの中の一つの授業では、アメリカにおける女性の権利、労働等の変遷について学びました。多くの女性が総合職に就いて活躍しているアメリカだから学べたことだと思います。西海岸では性的少数者であることを表明するレインボーフラッグを見かけることもたびたびありましたね。アメリカはボランティア活動ではホームレスへの食事提供などを行いました。また、家は、2週間ホームステイをしたあと寮に入りました。ボランティアに参加したときはシェアハウスをしました。韓国人や台湾人、アメリカ人と共同生活をしましたが、価値観の違いなどでトラブルとなったことはあまりなかったですね。

留学中にあった印象的な出来事について教えてください。

ある少人数のゼミに参加したとき、自分の意見を求められたのに何も答えられなくて、自分は英語ができず、また自分の考えも持っていないのだと気づきました。またボランティアに参加したときは、貧困や格差というものを目の当たりにしました。

その出来事は今にどのようにつながっていますか

広く世界を知ったことで、以前から持っていた、「困っている人の役に立ちたい」という気持ちがより強くなりました。

言語の面ではどうでしたか

留学前は、TOEFL ITPで550点を取ることを目標に勉強していました。しかし実際に海外へ行って、それだけでは足りないと思いましたね。話す練習をしていなかったからです。そうすると、授業も分からないんですよね。だから私は授業をレコーダーで録音して何度も繰り返し聞きました。また現地で日本語を教えている先生にコンタクトを取り、授業の中でlanguage exchangeを希望する生徒を募ってもらいました。language exchangeとは二人でペアを組み、相手が私に英語を教えてくれる代わりに、私が相手に日本語を教えるというものです。相手が日本語をある程度理解してくれて、コミュニケーションが取りやすい、というのが良い点でしたね。それから、youtubeをずっと流したりもしましたね。

そのような出来事や、留学という経験全体を通して学んだことは何ですか。また留学生活の中で感じたことはありますか

自分の英語のできなさは、実感しましたね。そして、アメリカの多様性です。また、ヨーロッパや中国などの大陸国は歴史認識が異なるということを感じました。それから、日本人とは違い向こうでは「言わないとわからない」のだということです。バックグラウンドの異なる人たちの集まるアメリカで、日本人のように「言わなくても分かる」と考えるのはただのわがままです。このようなことがつらい感じることはありましたが、その後のキャリアにつながる経験となったので、よかったと思っています。まとめると、留学は自分の世界を広げたもの、でした。また、ボランティア活動をしたことで、小さなことでも自分は役に立つことができるのだ!ということを実感しました。そして、この経験を活かし海外で働きたいという軸ができました。

今どんなお仕事をされていますか。留学経験はどのように生かされていますか。

私は一度転職をしています。先ほど述べたように私は海外で働きたいと考えていました。一度は日本の証券会社に就職したのですが、その会社では、本社で働けるのは入社して3年くらい、海外で働きたいと手を挙げて応募できるのは入社して5年くらいたってからと知り、そんなに待てない!と思って転職したのです。今年の春に転職し、現在コンサルティング会社に勤めています。仕事の効率化のためのコンサルティングをしています。留学経験が生かされていると感じるのはコミュニケーションやチーム活動の面ですね。今の会社は中国系の資本で他国にもオフィスがあり、海外で働くことも可能です。ただ、そのためには英語、日本語に加えもう一か国語を話さなくてはならないため、もっと努力が必要だと考えています。

留学経験を生かし未来へ向けてやりたいことを教えてください

海外で働きたいと思っています。具体的には、途上国に学校を建てる、もしくは助けを必要としている人たちに手を差し伸べられるような仕事をするのが目標です。今は、それだけの能力を自分のものにしようとしている段階です。留学を経験し、自分の中の世界が広がったこと、また自分が、小さなことであっても役に立てると学んだことで、できた目標だと言えますね。

なぜ、海外で働きたいとお考えなのですか。

日本は広いけど狭い。一度しかない人生なのだから、海外へ行きたいのです。もともと興味もありましたしね。個人的な意見なのですが、私は日本での働き方に疑問を持っています。シアトルで出会った人たちから、何のために仕事をしているのか(キャリアが第一なのか、家族や友人との時間を大切にするのか)、人生におけるプライオリティを決める重要性を学びました。しかし、日本では何のために仕事をしているのか、プライオリティがはっきりせず、漠然と仕事をしている雰囲気が強いように思います。自分のプライオリティをはっきりさせた働き方が(比較的)しやすいという点も海外勤務の魅力だと思います。

これから留学をしたいと思っている大学生に何かアドバイスがあればお願いします。

まず、行く前に語学力をつけておくことが大切です。また、私はインドア派で、シャイだったので家にこもることも多かったのですが、1年しかない留学生活なのだから、恥ずかしいと思ってもやりたいことはやったほうがいいと思いますよ。また留学は就職でも強みになります。しかし留学経験者や英語を話せる人はたくさんいるので、「留学しました」や「英語話せます」だけではなく、留学で何を学んだのか話せるようになるといいですね。また個人的な感覚ですが、語学力で言えばTOEIC950超えくらいだと、話のネタになりますし、私は就活・転職時に役立ちました。
それからこれは宣伝にもなりますが、経済産業省のインターンなどでは途上国に行く機会もあります。私はこの制度を利用してトルコで3か月間インターンをし、とてもいい経験になりました。このように海外へ行くチャンスはたくさんあるので活用してみてください。

インタビューアーからのコメント

伊藤さんのお話から、行った人だからこそ分かるアメリカの多様性について知ることができました。アメリカでしか学べないことがあるように、その国でしか学べないことがあり、それを学びに行くことで自分の世界が広がるのだと思います。また伊藤さんがボランティアでも多くのことを学んだように、学びは大学の外にもあるのだと思いました。お話を聞いて、確かに人生は短いのだから、海外へ行かないのはもったいない!と私も感じました。準備や現地での生活は大変なこともあると思いますが、得られるものはそれ以上だと思います。失敗を恐れず、挑戦していきたいなと思います。

インタビューアー:本間春花 (東北大学 法学部 法学科 1年)