留学のすすめ.jp

Invitation to Study Abroad

Disseminating the Impact of Study Abroad
Inter-generational Knowledge Transfer

インタビュー

世界中の人が好きなところで好きなことをして楽しく暮らせる世界にしたい

島正昭氏

2016年8月30日  69ページビュー
アメリカ合衆国   大学院(修士)   高校  

私たちは、茨城県内の高校で英語教師をしている島正昭さんにインタビューさせていただきました。
島さんは高校生の時にアメリカ合衆国ミズーリ州でホームステイを経験し、就職した後にアメリカ合衆国ヴァーモント州の大学院で英語教育修士号講座に参加し、寮で生活されていました。

―――なぜ留学しようと思ったのですか。
 まず、アメリカで、お客さんとしてではなく、現地に住んでいる学生と同じ立場で「生活したい」という希望を長年持っていました。同時に、自分の将来に活かすために何をするか考えていました。
 大学2年の時に留学して演劇を専攻しようと考えていたのですが、事情により諦めた経験があります。その後、高校教師として働きながら留学に向けてお金を貯めました。その頃は、文学か言語学を学ぼうと思っていましたが、教師として働くうちに英語の教授法に興味を持ち始めました。文学はすでに上智大学で修士号をもらっていたため、留学して英語教授法を学ぶことに決めました。つまり、留学の資金を貯めるため高校で教えているうちに、教えることの面白さに気づき、英語教授法を勉強することにしたということです。
 留学自体は高校生の頃からの夢でしたが、そもそも英語、そしてアメリカを好きになったきっかけはセサミストリートにあります。7歳のくらいの時、英語でセサミストリートのテレビ放送を見て、一人一人が違っていることの素晴らしさや英語の面白さを知りました。これが今の私の原点とも言えます。

―――島さんはホームステイと寮暮らしの両方を経験されていますが、両者の違いを教えてください。
 ホームステイの場合は、ホストファミリーの家で一緒に暮らすので、実際に家族の一員のようになれます。前にも言ったとおり、私はお客さんとしてではなく、実際のアメリカ人のように振る舞えるようになるのが夢でした。アメリカのやり方を身につけたいので、おかしいと思う作法はアメリカ人の子供にするように直してほしいと、ホストファミリーにお願いしました。これで、アメリカの常識をかなり身につけられました。
 一方、寮生活では、実家を離れて暮らしているという同じ立場の人や同年代の人と交流できます。留学中は本当に勉強が大変で、1日に10時間以上勉強するのは当たり前でした。週末は15時間くらい勉強しました。授業と自習という長時間の勉強は過酷でしたが、その分同じ寮のメンバーと協力したり励まし合ったりして頑張りました。つまり、寮で生活すると一緒に勉学に励む仲間ができるということです。夜11時頃まで勉強した後、皆でピザを食べたりパーティーをしたりしたのは楽しかったですね。

―――就職してから留学することのメリットとデメリットは何ですか。
メリットとしては、漠然とした目的意識で行くのではなく、ピンポイントで必要なところを学べるという点があります。精神的に成熟していますし、留学への思いも違うので、効率的に学べます。他には、自分で稼いでから行くためお金の面で周囲への負担が減るという点もメリットとしてあげられます。デメリットは、学生時代に留学する場合のような自由さがないということです。時間の制約もありますし、会社や家族の思いもあって縛られるので、好きなことがしにくくなります。あとは、仕事との両立が大変ということです。今年の夏にも海外に行く予定で、そのプログラムに向けてレポートなどの宿題がすでに出ているのですが、仕事の時間はけずれないので、今はそれをうまくやっていくのが大変です。

―――今年の夏、海外から来る人に英語を教えるプログラムに参加されると伺ったのですが、そのことについて詳しく教えてください。
私が教えるクラスはさまざまな国籍の人が入り交じったクラスです。それぞれの人の文化や職業が違って、例えばビジネスマンもいます。英語のどんな間違い方をするかという特徴も国によって違って、「この国の人はここを間違えやすい」というのを覚えなくてはなりません。それから、授業ではもちろん日本語は使えないので、絵の勉強などをして、いかに言葉以外で伝えるかを工夫しています。このプログラムはとても大変なものですが、ワクワクもしています。どんなトラブルもポジティブにとらえ解決することで、自分の成長につながる、意味あるものにできるのではないかと考えています。

―――海外経験を経て、キャリアへの影響を教えてください。
英語を教えるだけでなく、人とつながれるということも教えたいと思い、茨城高校の生徒が1週間カナダでホームステイしながら学べるプログラムを立ち上げました。どの国、言葉、常識で生きるかを決めるのは自分で決めて良いということ、他国民と家族になれるということを教えていきたいです。

―――未来へのアクションとして、島さんが伝えたいことを教えてください。
私は「まず日本のことを知ろう」という考えにとらわれたくなく、この考えを1回取っ払いたいと思っています。もちろん日本の伝統文化は大事ですが、日本に縛られるのはおかしいですし、日本のことを研究するのは好きな人がやれば良いと思います。それよりも、もっと自由になって、自分が好きな国や文化を好きなように学んで、その中で暮らしていけるということを知らせたいです。

インタビュー実施日:2016/06/11

インタビューアーからのコメント

今回、ホームステイと寮の特徴、就職してから留学することのメリット・デメリットなど、様々なタイプの留学についてお話を伺うことができて、とても参考になりました。私も自分にはどんな国や留学スタイルが合っているのか考え、積極的に世界に飛び出して行きたいと思いました。そして、その国の文化に溶け込み、現地の人と生活してみたいです。

インタビューアー:勝見菜々恵 (東北大学 文学部 人文社会学科 1年)

インタビューアーからのコメント

今回、島さんへのインタビューの中で心に残ったのは、トラブルがあっても前向きに捉え、成長の糧にするということです。これは留学に限らず、様々な場面で重要なことだと思います。新しい世界に飛び出せば、トラブルや問題が生じるのは当たり前。それを恐れるのではなく、自分を成長させる機会と捉えて、まずは一歩踏み出す勇気が大事だと感じました。

インタビューアー:羽成春香 (東北大学 文学部 人文社会学科 1年)