インタビュー
未知の世界との架け橋になる
近藤 修一氏
2015年10月8日 579ページビュー 2年以上 ハンガリー 高校留学を経験し、日本とガーナの架け橋となっている近藤 修一さんに留学についてお話を伺いました。
あなたは留学でどのような経験をしましたか?
私は高校二年生のときにハンガリーに単身で留学をしました。単身留学なので一人で行きましたが、街にも日本人はいなく、マイノリティーになるという経験をしました。外国語は得意な方で難なく行くと思っていましたが(ハンガリーはハンガリー語)、その国のカルチャーの違いや、ほかの国の留学生の考え方やライフスタイルとぶつかる経験もしました。
そのこともあってか、自分が日本を客観的に見る視点を得たと思います。日本の高校生の中には日本ってこういう国だと説明できない人も多いとは思いますが、しかし他の国からの留学生やハンガリー人はそれぞれが自分の国をわかっているし、「自分はこういう人間だ」というのがはっきりありました。
別のカルチャーショックもありました。同時期にハンガリーに留学していたアメリカ人は、英語は世界共通言語だからどこでも通じると思っていて、ハンガリー語をあまり勉強しなくてもいいやと思っている人もいました。このことは私の英語やアメリカに対するイメージを大きく変えました。
マイノリティとしての経験でいえば、向こうの小学生に“kinai”(ハンガリー語で「中国人」)というアジア人に対する偏見による、差別を受けたりしました。それでもハンガリーにいるホストファミリーは本当の家族の様に私を扱ってくれたし、現地の受け入れ機関やそこにいた同級生たちは昔から知っている友人の様に受け入れてくれて、今でもネットでつながっている人たちは私の人生において大きな財産です。
留学の経験を今に生かしていることは何ですか?
もともと会社員をしていたのですが、転職を考えているとき、仕事先で知り合った人に声をかけられ、ガーナに関する貿易、コンサルティング、テレビのロケコーディネートなど、基本的にガーナに関連する仕事の日本の窓口をしています。これから将来の会社の展望としては、ガーナだけではなく、コートジボアール、ブルキナファソ、トーゴ、ペナンなどの西アフリカ圏への事業拡大を考えています。とは言っても、アフリカ圏でもガーナの隣の国または国境ですら、話している言語が違うことがあります。しかしそうであってもハンガリーで学んだ異文化の人たちと共同して何事にも何とかしようという前向きな考え方をもって、乗り越えられると思っています。そうしてやっていくうちに、今までほんの一部しか見えていなかった世界が、もっともっと広がっていくと思います。
インタビュー実施日:2015/06/07
インタビューアーからのコメント
●印象に残ったキーワード
未知の世界との架け橋
●お話を聞いて感じたこと
ハンガリーに単身で行き留学をする行動力が凄いと思いました。
会社員時代に知り合った方とビジネスを始め、今の仕事は機械などの貿易やコンサルタント等で、アフリカと日本との架け橋となって活躍されていると聞き、ハンガリーでの留学経験が今に生かされているんだ、と感じました。
「留学では語学も得たが、異文化の人との接し方や忍耐力が鍛えられた」と仰っていて、留学の経験は色々な所で生かされていると、とても勉強になりました。
インタビューアーからのコメント
●印象に残ったキーワード
何事にも何とかしようという前向きな考え
●お話を聞いて感じたこと
単身の留学にもかかわらず、臆することなく海外の国に行く度胸はすごいと思いました。前向きに考えているからこそ、これからの将来展望についても不安があるというよりも、ワクワクするという感じが伝わってきました。
インタビューアー:宮南 太朗