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Invitation to Study Abroad

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インタビュー

留学を一つのステップとし、自分の国際的なキャリアにするべき

武田 真彦氏

2015年7月22日  946ページビュー
3年以上   6カ月以上   アメリカ合衆国   大学   大学院(博士)  

【インタビューゲスト】
武田 真彦さん
(一橋大学 経済学研究科応用経済専攻および、国際・公共政策大学院アジア公共政策プログラム所属 教授)
東京大学在学中の3年次に米国に1年間留学され、社会人の時に米国の大学院に留学した経験を持ち、日本銀行や国際通貨基金(IMF)などで働かれた後現在は一橋大学で教職に就かれている武田さんにお話を伺いました。

(学生)--まず留学に至るまでの経緯を教えてください。
中学高校と英語を学び、大学ではESS(English Speaking Societyという英語のサークル)に所属していました。しかしある時、英語を使って話す場面で自分が全く話せなかったことがあったのです。そこで自分の英語がいかに“使えない”かを知り、留学を決意しました。海外に出かけたのは人生でこの留学が初めてでした。
英語や留学をはじめとする国際的なことやものへのあこがれは、昔からあったように思います。

(学生)--留学にかかる費用はどう工面されましたか
サンケイ・スカラシップという新聞社の奨学金制度を利用しました。(※2015年現在この制度はありません)
留学はとてもお金がかかるので、自費での留学は考えていませんでした。大学一年時にも同じ奨学金制度で留学の申し込みをしましたが、だめでした。それでも諦めず二年時も応募し、合格しました。そして無事翌年の大学三年時で留学することができたのです。

(学生)--留学先での生活や英語の様子をおしえてください
ホームスティやアパートなどではなく大学の寮で生活しました。専攻は経済学で、留学先でも経済学を勉強しました。大学の授業は日本で受けていた授業の方が学問としてのレベルは高かったように思います。授業で使われる英語の理解も最初から殆ど出来ていました。しかし寮に帰ると全く英語がききとれず、意味も分からず、とにかく会話に入れませんでした。授業で使われる一般的なフォーマルな英語と、学生(若者)たちのインフォーマルな会話では、使われている英語やスピードが本当に違いました。今まで中学と高校で勉強してきた単語や文法だけでは、インフォーマルな英語には対応できません。最初のころはただ会話をきいているだけって状態がほとんどだったと思います。

(学生)--留学を今の学生に勧めますか
もちろん。行けるものなら、いけるチャンスがあるならぜひチャレンジしてほしいです。金銭面が気になる人は積極的に奨学金制度を利用したらよいでしょう。
留学はひとつのステップです。留学をしたことによりそれが自分の重要なキャリアになることもあると思いますし、ぜひそうしてほしいと思います。

(学生)--日本の学生がどう成長し、何をもっと学べばよいと思われますか
日本の学生・若者にとってこれからこの先きわめて厳しい時代が待っていると思います。人口の高齢化や、日本政府の莫大な借金だけでも十分大変な本国の問題です。一方で他のアジアの国々が技術的にも経済的にも様々な面で日本に追い付いてきていることも留意しなければなりません。国がつぶれる可能性、ギリシャでの若者の失業率が50パーセントである遠い国の出来事のような話が自分たちにも現実にふりかかってくる危機を、いったいどれほどの日本の若者が理解しているでしょうか。
100人いるときに100人英語を話せる必要はないと思います。しかし、英語が話せて損なことはないでしょう。道具として使う英語を持っていてもいいのではないかと思います。もし使えれば、それが自分の助けになります。いろいろなカタチで英語を使えばチャンスが増えます。せっかく中高と英語を学んできたのだから、いかに使えるようにするかを考えてみてほしいです。
日本がもし潰れても、違う国で生きられるぐらいに、たくましく知恵をつけてほしいです。英語はさまざまな人々とコミュニケーションをとることがしやすい語学であり道具であるのです。

インタビュー実施日:2015/07/06

インタビューアーからのコメント

==インタビューを終えて==
●インタビューで印象的だったお話やキーワード
・留学を一つのステップとし、自分の国際的なキャリアにするべき
・観光客としてわかることと、そこに住んでわかることとでは全くもって違う気づきがあること
・英語をただ話せるかは重要ではない。英語で何を話し、何を表現するかが重要である。

●武田さんのお話をきいて
私自身大学在学中に長期留学がしたくて、英語で自分の言いたいことが話せるようになりたくて、目標の留学や夢をまるでゴールのようにとらえていました。しかし今回武田さんのお話をお聞きし、そうではなく、自分の目標や夢をひとつずつ叶えてそれをステップとし、着実に自分のキャリアにしていきたいと思う考えに変わりました。
また、私は今きっととても幸せです。毎日不自由なく暮らしています。ずっと学生でいたい!就職したくない!今のままでいたい!と思っていましたが(今も少し思っていますが(笑))、武田さんにお伺いした「今の学生がどう成長し何を学べばよいと考えるか」の質問での回答を受け、きちんと将来のことを考えたい・考えなければいけないと意識を変えることができました。

インタビューアー:前出 杏菜
留学は自分の人生観、キャリア観が大きく変わる貴重な経験です。
京都大学 大学院総合生存学館(思修館)准教授
関山 健 氏
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