インタビュー
「とりあえず行け!」「やれば分かる」
坂井 友耶氏
2014年11月22日 771ページビュー 3カ月以上 6カ月以上 アメリカ合衆国 大学 語学学校【開田】留学に行こうと思ったきっかけは何でしたか?
留学に行きたいと大学4年次にふと思い、結構思いつきで留学を決意しました。大学在学期間内に行こうとは全く考えてなかったし、留学自体が初めてではなかったため、大学を卒業してからの留学に躊躇いはなかったです。「行きたい!」と思ってから、色んなエージェントに相談し、一番親切なところに決めました。プログラム内容としては、色んなことを経験したかったので、語学学校1ヶ月、大学9ヶ月、インターンシップが出来るものを選びました。確かそれも、東洋大学の図書館で見つけたんですよ。とにかくやってみよう、やってみなきゃわからないという心意気・信念が大事だと思います。
【開田】以前はどこに留学されていたのですか?
アメリカのオレゴン州です。地元が高知なんですけど、英語に触れる環境があまりない中、英語塾に通い、ふと留学を高校生で決意。親にお願いしたらすんなりokしてくれて、2週間留学しました。今考えたらこの留学が全ての始まりだったのかもしれないです。
この経験があったからこそ、長期留学の時に大きくカルチャーショックを受けることも、ホームシックになることもなかったです。
【開田】大学留学は語学学校とやっぱり変わりますか?
大学はシアトル州ワシントンのコミュニティカレッジに留学したのですが、始めTOEICスコア500しかなかったので英語力のギャップに対応するのには大変でした。けれど、友達や教授に質問、コミュニケーションを積極的に取ることで対処しました。もちろん、大学と語学学校は大きく異なりますよ。語学学校と違って「アメリカ人」がいること、よくも悪くも生きた英語を聞けること、また授業内容は日本と違って能動的で、自主的な発言が重要視されます。課題も多いですしね、毎日必死でした。そういった意味でも、コミュニケーションをとる上で、自分の意見の主張は大事だと実感することが多かったです。
【渡辺】 留学をして一番印象に残っていることは何ですか?
実は、帰国日前日に交通事故にあいました。韓国人の友達が自分のために、さよならパーティーを開いてくれるということで、車で家まで迎えに来てくれました。それで、友達の家に車で向かっている時に、友達が僕を驚かせようと思って、アクセルを思いっきり踏んだら、車が滑って電柱にぶつかり、崖に落ちて、一週間意識が戻りませんでした。それで、目を覚ましたら僕の両親がいたので、何が起きたのか最初は理解出来ませんでした。この事故で、脳に内出血と背骨に4箇所ひびが入っていたのですが、それでも、後遺症が残ることもなく、3週間で退院して、無理やり車いすに乗って日本に帰国しました。入院費が信じられないほど高かったんですが、海外保険に入っていたので、保険でなんとか賄うことが出来ました。この事故で身をもって感じたことは、生きていることのすばらしさや、健康であることのうれしさですね。
【渡辺】 留学を通して得られたものは何ですか?また、それは今どう生きていますか?
英語力が伸びただけでなく、性格的にも明るくなりました。あと、留学する前は、空気を読んだり、人に合わせることが多かったけれど、留学をして、文化も言葉も違うからこそ意見を言わないと伝わらないと気付き、それからは自分の意見はちゃんと言わないといけないと思うようになりました。だから、留学前と留学後の自分は全然違います。日本に帰ってきて、地元である高知県の商工会議所に就職し、地元の良さをPRする仕事をして、改めて高知への良さを再確認しました。その後、地元の商工会議所を辞め、今、勤めている場所に就職する前に、ずっと夢だった世界一周を50日でやり遂げました。これも留学経験がなかったらしてなかったと思います。
【渡辺】 留学を志す学生へ一言お願いします。
100%言えるのは、「とりあえず行け!」ですね。 僕が好きな言葉は、「やれば分かる」なんですが、自分で実際に経験しないと分かりません。理屈で考えても分からないです。留学に行くぐらいならそこまで危険なことではないので、行きたいと思ったなら、まず行動するべき。決して留学費用は安くないけれど、行く価値は十分にありますよ。留学でかかった費用や、交通事故のことのことを振り返っても、留学して良かったと思えます。
インタビュー実施日:2014/11/11
インタビューアーからのコメント
ずっと留学に行きたくて、「留学経験がある社会人から生の経験談をきく」という機会は貴重なので、私にとっては思ってもみないチャンスでした。インタビュー中に何度も強調されていた「やりたいことを今やる」という言葉は、昏睡状態に陥った坂井さんから聞くからこそ響きました。やりたいことを「今」実行することは、大人になればなるほど簡単ではないし、更にそのやりたいことがいつまでもBucketListに入っているか?というと違うかもしれません。こういう実行に移す能力に名前を付けるのであれば、きっと「行動力」であり、坂井さんは行動力に長けていると言えるでしょう。人は何かうまくいかないときや不都合なことがあったとき、何事にも理由や理屈を見つける傾向があると思います。忙しいから後回しにしよう、また次があるよね、などと…。純粋に「留学にいきたい」「今行きたいから行く」という、ある意味無鉄砲な行動は誰にでもとれるものではないし、でもきっとその先で出会うものは素敵で、一生に残るものになるだろうと思います。たまには自分の為に、Recklessに生きてみてもいいのではないかと思えるくらい、刺激を受けたインタビューでした。
インタビューアーからのコメント
今回、インタビューを通して留学に行った方から直接お話しを聞くことができたのは自分にとってとてもいい経験になったと思います。坂井さんのお話の中で印象的だったのは、「やってみなきゃ分からない。」という言葉です。私は、長い間留学へ行きたいと考えていましたが、経済的な理由や周囲の反対から留学を諦めようとしていました。どこかで、人と同じようにしなければいけないと思っていました。しかし、坂井さんのお話を聞き、直感を大切にしていいのだということに気づきました。留学というのは、自分一人で決められることではないけれど、本当にやりたいことであれば諦めてはいけないし、留学で得られるものはたくさんあるということを改めて感じることが出来ました。また、留学へ行く意欲が湧いてきました。
インタビューアー:渡辺 愛子