留学のすすめ.jp

Invitation to Study Abroad

Disseminating the Impact of Study Abroad
Inter-generational Knowledge Transfer

インタビュー

小さいチャンスを生かして、その先に大きなチャンスがあるとイメージしておくこと

石井 由香理氏

2018年2月20日  97ページビュー
1年以上   オーストラリア   大学  

「留学準備で苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
この留学に先立ち、1ヶ月ほど、大学があるアデレードに滞在し、受け入れ先の先生にお会いしたりしました。そのため、先生の人柄や街の地理、文化や食べ物も把握でき、長期の留学にあたってそこまでの不安はありませんでした。また、語学学校にも通っていました。
 
「なぜ留学しようと思ったのですか?留学にいたる経緯は?」
大学院生時代の先生が、オーストラリアの受け入れ先の先生と交友関係があり、その先生の研究内容と自分の分野が一致していたので、紹介をしてもらいました。留学にあたっては、やはり海外で学びたいという気持ちが強く、いろいろな文化を有する人たちの考えや意見を聞きたいというのは大きかったと思います。そして、これからの日本で求められる人材はやはり、グローバルに活躍できる人材であり、留学の経験は積んでおきたかったので、行こうと決めました。
 
「留学中に苦労したこと、工夫したことは何ですか?」
やはり、言葉の壁ですね。会話や、ディスカッションの際など、何を話しているのかわからないことがあったり、メモを取ろうとしても、追いつかなかったりしました。また、一人で留学したので、日常生活でも単独行動しなければならない場面が多く、最初の方は特に孤独感があり、また、何をするにも自分で考えて調べて交渉しなければならず、大変でした。
 
「留学前に不安だったことは?また、実際に留学に行ったら、どうでしたか?」
人間関係でしたが、しばらく接していくうちに、その人の人となりがわかるようにもなり、多少言葉がわからなくとも、お互いに言いたいことが伝わるようになってきて、コミュニケーションをとることが出来ました。
 
「留学で得たものは何ですか?」
まず、言葉はそうですね。留学中、1度、海外から招かれたゲストの方に「あなたの英語はわからない!」とズバッといわれてしまいました。とても悔しかったですが、良い刺激になりましたし、このように、言葉が伝わらないという経験は、日本じゃできない経験だとも思います。海外で通用する人材になりたいというモチベーションを保つ、臥薪嘗胆の記憶です(笑)。
また、先輩の研究者の方と話をしたり、討論したりして、意見交換をしていたなかで、対等な立場というか、認めてくれているんだということを感じて、そこに、喜びを見出していました。やはり、海外に行くと、どうしても、日本人コミュニティに閉じこもったり、お客様扱いされて、観光だけになってしまったりするけど、研究者としての自分と、やってることを認めてくれて、意見をくれることが嬉しかったです。「あ、やれるんだ。今まで培ってきたスキルって使えるんだ。」と気づけたこともよかったです。
 
「留学が帰国後のキャリアや人生にどう影響しましたか?」
視野が広がったということが一つだと思います。また、受け入れ先の大学でロボットについての共同研究もさせてもらえることになり、そのメンバーに入れていただきました。私は今までジェンダーの研究が主で、ロボット研究は未知の領域なのですが、おかげで自分の研究対象も広がり、チャンスをくださったことに感謝しています。そして、世界トップレベルにいる方たちの考えや、視点を知ることができ、今までは、日本で得られる情報の枠内でしか想像力が働かなかったものが、より多角的な視座でものごとを考えられるようになりました。
 
「今後留学を目指す学生へアドバイスをください」
私が思うに、はじめのうちは、長期で留学をすることにこだわる必要はないのではないでしょうか。そうでなくとも、短期でよく、どんどん小さいチャンスをものにしていくイメージでいてよいと思います。私も、この留学以外にも、あるプログラムで、アメリカのワシントンD.Cにも短期間ではありますが、学びに行っていました。ちょっとずつでも、回数を重ねて、留学すると、まわりも、「あ、この人は海外に行く人なんだ。」というように認識してくれて、次々とチャンスをくれるんです。それがやがて大きなチャンスをも引き寄せます。
また、先ほど、海外の研究者に認めてもらえた、という話をしましたが、逆に、ただ向こうに行っただけで、埋もれてしまうということも、ありがちだと思います。そうならないためにも、自分の武器は何かを考えます。海外の人が知りたい情報を知っておくのも大事かもしれません。自分が語りたいことを語っても、相手には刺さらなかったりするので、相手が知りたいことは何かを意識して、リンクさせながら、メッセージを発信する必要があります。
また、日本人であることだけをほめられたり、「和食は知ってるか?寿司は好き?」など、自分もその手の話にしがみついたりしてしまうのは考えものです。日本人アイデンティティを強めて帰ってくるのも少し違う気がします。このようなレベルで止まってしまわないためにも、日本にいる時から、留学先で通用する学びや技能とは何なのだろうと考えてみることが大切であると思います。大学で学んでいることを海外でも使うんだと意識すること。しっかりやれば、きちんと通用します。そして、日本でスキルを高め、海外でどう使えるかどんな反応をされるかを発表して試してみる、何が足りなかったかを省みてまたスキルを高めることです。そうした意味でも、しょっちゅう行くというのは大事なのかもしれません。

インタビュー実施日:2017/07/18

インタビューアーからのコメント

「印象に残った言葉」
今回石井先生のお話を聞いて、印象に残った言葉は、「小さいチャンスを生かして、その先に大きなチャンスがあるとイメージしておくこと。という言葉です。やはり、回数を多く留学に行くと、その先々で、またチャンスにめぐり合えるのだと思いました。

「お話を聞いて、感じたこと、学んだこと」
私は今回の石井先生の話を聞いてやはり、自分から動かなければ、チャンスはやってこないということです。待っていても、チャンスというものは、簡単に来ないと。留学に行っても、決して奥手になったりせず、自分はゲストという意識をなくして、日本では経験できないことを吸収できるようにしたいと思いました。

インタビューアー:加津 詠丞(東洋大学)